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 米テキサス州の病院で、エボラ出血熱患者のリベリア人男性(8日死亡)の治療にあたった女性看護師2人が二次感染した問題で、男性が救急搬送された直後の2日間、看護師らが身につけた防護服が全身を完全に覆う現在のものより軽装だったことがわかった。病院ではエボラ患者を想定した訓練を行っておらず、現場が混乱する中で感染が広まった疑いが強まった。

 16日にあった米議会下院の公聴会で証言した病院のバーガ最高臨床責任者によると、男性は9月28日、発熱や嘔吐(おうと)、下痢などの症状が悪化して救急搬送された。病院側はこの時点でエボラ感染を疑い隔離するなどしたが、看護師らが全身を完全に覆う防護服を着用し始めたのは、エボラ感染が正式に確認された9月30日以降だったという。

 バーガ氏は「男性がエボラと診断されて、防護服をフル装備のものに格上げした」と述べた。ただ、防護服と感染の関係は現時点では不明との見方も示した。

 また、病院側は、米疾病対策センター(CDC)が作成したエボラ患者用の治療ガイドラインを医師や看護師らに配布するなどしたが、実際に患者の搬送を想定した訓練などは行っていなかったという。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、今回の二次感染を受けて、CDCはエボラ治療にあたる防護服の装備を手厚くするようガイドラインを改定した。習熟していないと着脱時などに汚染物質に触れる恐れがあるため、訓練や点検の徹底も呼びかけている。