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北朝鮮、自国の人権問題への対応を賛美する国連決議案を配布 「勝手な内容」と出席国
【ニューヨーク=黒沢潤】北朝鮮は16日までに、自国の人権問題への対応を“賛美”するとともに、国連加盟国に「公平で、戦闘的でない」人権対話を開始するよう求める国連総会決議案を関係国の会合で配布した。しかし「“決議案”の体裁が整っただけの勝手な内容」に出席国があきれて沈黙、会合は約20分で打ち切られたという。
国連外交筋によれば、北朝鮮国連代表部は15日、国連本部内で主宰した非公開会合に集まった十数カ国に同決議案の概要を説明した。北朝鮮の後ろ盾である中国が「北朝鮮に(国際社会が)干渉するのは良くない」などと切り出してその場を取りつくろったが、質疑応答もほとんどなかったという。
産経新聞が入手した同決議案は、北朝鮮側が今年9月に国内の人権状況についてまとめ、発表した報告書が「国連加盟国の理解を促進させた」と評価。国連人権理事会のもとで、加盟国の人権状況を審査する特別制度に「建設的」に協力したと強調し、さらに「国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)から称賛された」と自賛した。
決議案はその上で、人権問題に関する「誤解をなくすため」人権対話を開始するよう各国に求め、北朝鮮の人権状況について「先入観を排除した」見方をするよう、国連の潘基文事務総長や国連関係機関に要求している。