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3Dプリンターの特許技術を逃し、アメリカにさらわれていた日本-評価されなかった研究者・小玉秀男
2014.10.17 (Fri)
2014年10月12日放送のニッポン放送系のラジオ番組『土田晃之 日曜のへそ』(毎週日 12:00-14:00)にて、お笑い芸人・土田晃之が、3Dプリンターの礎を築いた、研究者・弁理士の小玉秀男氏について語っていた。
Up Plus2 3Dプリンター AFINIA

長嶋智彦:今週は、ダーリンハニー長嶋が3Dプリンター誕生の裏にあった物語と題して、ある男性のお話をご紹介させていただきたいと思います。
土田晃之:誰でしょう?
長嶋智彦:男性の名前は小玉秀男さん。現在64歳の方で、なんとこの方、今から遡ること34年前、1980年の2月に3Dプリンターのヒントになる技術を発見していたんですよ。
土田晃之:へえ。
長嶋智彦:はい。名古屋の工業科学研究所に勤務していた小玉さん。3Dプリンターの技術につながるヒントを得たのは、新聞の印刷工程からということで。
土田晃之:何でだろう?
長嶋智彦:名古屋で行われたある展示会がありまして、その展示会で新聞の文字、インク、紙、印刷などのしくみを見た帰り道に、バスの中でこの工程を繰り返してやれば立体的なものができるのではないか、と閃いたらしいんですよ。
土田晃之:へえ。
長嶋智彦:そして、こだまさんはその年の4月に手のひらサイズにできるほどの大きさの家を作ってしまったんです。
土田晃之:へえ~。
長嶋智彦:実際にこの3Dプリンターの技術で手のひらに乗る2階建ての家を作ってしまったんです、ミニチュアの家を。
土田晃之:3Dプリンターはけっこう簡単だったのかな?
長嶋智彦:これは試行錯誤はあったと思います。小玉さんは厚さ2ミリの層を27枚重ねて、細かい間取りとか螺旋階段とか食卓まである、超ミニサイズの家を完成したんです。
土田晃之:すごいな、それ。
長嶋智彦:やはり作った本人としてはこれはいけると思うじゃないですか。だから、当時職場に「特許申請すれば、儲かるんではないか。申請したい」ということを相談をもちかけたらしいんですよね。そうしたらその職場の人から、「職務上の発明ではない」という理由で、ストップになったんですよ。
土田晃之:職務上の発明ではない?
長嶋智彦:はい。自分の仕事とはまた違うものだから申請しなくていいんじゃないかとように言われてしまったんですよね。
土田晃之:日本の企業はそういうところがあるんだろうな。
長嶋智彦:先日の青色LEDが。
土田晃之:そう、そうだよね。
長嶋智彦:青色LEDを開発された中村さんも、以前いた会社で報奨金の問題とかあったじゃないですか。
土田晃之:最初は2万円だったんでしょ!?
長嶋智彦:2万円だったんですよね。
土田晃之:あれだけ研究して。結局…8億円くらいだったんでしょ。
長嶋智彦:それでお話が終ったんですけど、それに近いですね。
土田晃之:そうだよ。
長嶋智彦:それで職場の支援が得られないなら、自分で特許を申請しようと論文を書いて、日本とか海外とかで発表したらしいんですよ。
土田晃之:ほう。
長嶋智彦:ですが、リアクションがイマイチで。特許を得るには、申請をした後に審査請求と言うものをしないといけなくて。要は権利化できるかどうかの審査を特許庁に申請するということをまず最初にしないといけないらしくて。
土田晃之:はい、はい。
長嶋智彦:それをしていなかったので、特許はとれなかったんです。
土田晃之:とれなかったの?
長嶋智彦:はい。
土田晃之:とれなかったんだ。
長嶋智彦:これはすごい残念じゃないです。
土田晃之:今の3Dプリンターの基礎を作ったのに。
長嶋智彦:はい。ですが、バスの中でひらめいてから15年後にこのこだまさんのアイディアが、イギリスの民間財団によって優れた発明に送られる「ランク賞」という賞を授与されたんですよ。
土田晃之:結局こういうところは海外の評価だったりするんですよね。
長嶋智彦:そうなんですよね。
土田晃之:必ずそうなんだよね。
長嶋智彦:3Dプリンターの基礎となる技術が世界で初めて評価された瞬間だったんですね。
土田晃之:へえ~。
長嶋智彦:ところがこの時に共同受賞者という方がいらして、その方がアメリカのチャールズ・ハルという男性で、チャールズさんは小玉さんに遅れること4年。84年に特許を出願して、3Dシステムズというベンチャー企業を設立したんですよ。アメリカでは通ったんですね。
土田晃之:はあ~。
長嶋智彦:この3Dシステムズという会社は、今や3Dプリンターの世界2大大手の1角ということで。
土田晃之:だからやっておけば良かったんだよ。
長嶋智彦:すごくないですか?
土田晃之:そうだよね。
長嶋智彦:この2人は天才ですから。
土田晃之:そうだね。
長嶋智彦:音楽業界で言ったらビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーですよね。
土田晃之:ううん、まあ、無理矢理ねじこんできたね(笑)
長嶋智彦:ははは(笑)
土田晃之:ビートルズ要素を(笑)
長嶋智彦:ははは(笑)
土田晃之:得意分野をね。
長嶋智彦:完全に天才の2人ですよね。
土田晃之:確かに。
長嶋智彦:そうですよね。例えばそのジョン・レノンとポール・マッカートニーで分けるとしたらこのチャールズ・ハルは特許を出願して3Dシステムズというベンチャー企業を立てたところで商売につながっているということで、ビートルズで言ったらポール・マッカートニーですよね。
土田晃之:ポール・マッカートニーなんだ。
長嶋智彦:ポール・マッカートニーはやはり商売上手ですから。
土田晃之:なるほど。
長嶋智彦:そしてアイドルでもあるんですけど。ジョン・レノンはやはり真面目ですから、それでやはりまっすぐなところもありますし、うまいところいけてないところもあるかわいらしさもあるということは小玉秀男 的だという。
土田晃之:小玉さんはジョン・レノンなんですね。
長嶋智彦:ジョン・レノンだと思うんですけれども、はい(笑)…ちなみに、そのランク賞を受賞されたお二人とも。チャールズ・ハルさんは1万ポンド、現在の日本円で約130万円の報酬。こだまさんは1万5000ポンド、約200万の報酬。つまり小玉さんのほうが報酬が多かったということで。
土田晃之:はあ~。
長嶋智彦:特許をとっていなくても評価してもらえたという。
土田晃之:そうか、認められているんだ。
長嶋智彦:そうなんです。ここでその金額によって小玉さんのほうが評価されているというのが出ているわけですよね。小玉さんがもし、ご自身がもし自分が先に特許を取得していたらということで計算してみたんですよ、お金を。
土田晃之:やはりそうするよね。
長嶋智彦:しますよね。そうしたら日本だけで40億円!すごくないですか、これ。
土田晃之:もったいない。
長嶋智彦:アメリカで取得したらもう1つ0が増えるわけですから。
土田晃之:そうですね、確かに。
長嶋智彦:これはすごいです。
土田晃之:すごいね。
長嶋智彦:すごくないですか、これ。
土田晃之:やっぱり、ドクター中松さんもそうだもんね。日本の企業で受け入れられないから海外に持って行ったりするもんね。
長嶋智彦:はいはい。
土田晃之:そうなんだよね。
長嶋智彦:そうなんですよ。ビートルズも著作権の会社を作ったんですけれでも、著作権団体で管理しようとなった時にパーセンテージを間違えまして、その時は知らなかったのでジョン・レノンもポール・マッカートニーも。やっぱりパーセンテージを団体のほうに持って行かれて、管理会社のほうに持って行かれて、管理会社が50%、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが20%ずつ、マネージャーが10%というあまり良い思いをしなかったという時期もあったということで。
土田晃之:その辺もビートルズにつながるんですね。
長嶋智彦:そうなんですね。
土田晃之:…やっぱり研究者は、自分の研究でできた成果のほうに自信を持つから、お金的なことはもったいないのはあるけれども、でもやっぱりこれで満足ですと、でもやっぱり思うしかないよね。
長嶋智彦:そうですね。あとは見てくれている人が見てくれているんだと。
土田晃之:そうだね。自分を評価してくれている人がいるわけですから。
長嶋智彦:そういうことですよね。やっぱりこれから医療の方向だったり伸びてくるわけじゃないですか、3Dプリンターの技術が。
土田晃之:3Dプリンターはいろいろな業界で使われますもんね。例えば僕がチラッと見たのは靴のデザインも3Dプリンターで作るんだよね。それで実際に3Dプリンターで手にとって見て、もっとここのデザインを変えようとかあったりするからね。
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Up Plus2 3Dプリンター AFINIA
長嶋智彦:今週は、ダーリンハニー長嶋が3Dプリンター誕生の裏にあった物語と題して、ある男性のお話をご紹介させていただきたいと思います。
土田晃之:誰でしょう?
長嶋智彦:男性の名前は小玉秀男さん。現在64歳の方で、なんとこの方、今から遡ること34年前、1980年の2月に3Dプリンターのヒントになる技術を発見していたんですよ。
土田晃之:へえ。
3Dプリンター開発のきっかけ
長嶋智彦:はい。名古屋の工業科学研究所に勤務していた小玉さん。3Dプリンターの技術につながるヒントを得たのは、新聞の印刷工程からということで。
土田晃之:何でだろう?
長嶋智彦:名古屋で行われたある展示会がありまして、その展示会で新聞の文字、インク、紙、印刷などのしくみを見た帰り道に、バスの中でこの工程を繰り返してやれば立体的なものができるのではないか、と閃いたらしいんですよ。
土田晃之:へえ。
長嶋智彦:そして、こだまさんはその年の4月に手のひらサイズにできるほどの大きさの家を作ってしまったんです。
土田晃之:へえ~。
長嶋智彦:実際にこの3Dプリンターの技術で手のひらに乗る2階建ての家を作ってしまったんです、ミニチュアの家を。
土田晃之:3Dプリンターはけっこう簡単だったのかな?
長嶋智彦:これは試行錯誤はあったと思います。小玉さんは厚さ2ミリの層を27枚重ねて、細かい間取りとか螺旋階段とか食卓まである、超ミニサイズの家を完成したんです。
土田晃之:すごいな、それ。
特許申請を会社に断られる
長嶋智彦:やはり作った本人としてはこれはいけると思うじゃないですか。だから、当時職場に「特許申請すれば、儲かるんではないか。申請したい」ということを相談をもちかけたらしいんですよね。そうしたらその職場の人から、「職務上の発明ではない」という理由で、ストップになったんですよ。
土田晃之:職務上の発明ではない?
長嶋智彦:はい。自分の仕事とはまた違うものだから申請しなくていいんじゃないかとように言われてしまったんですよね。
土田晃之:日本の企業はそういうところがあるんだろうな。
長嶋智彦:先日の青色LEDが。
土田晃之:そう、そうだよね。
長嶋智彦:青色LEDを開発された中村さんも、以前いた会社で報奨金の問題とかあったじゃないですか。
土田晃之:最初は2万円だったんでしょ!?
長嶋智彦:2万円だったんですよね。
土田晃之:あれだけ研究して。結局…8億円くらいだったんでしょ。
長嶋智彦:それでお話が終ったんですけど、それに近いですね。
土田晃之:そうだよ。
土田晃之:ほう。
長嶋智彦:ですが、リアクションがイマイチで。特許を得るには、申請をした後に審査請求と言うものをしないといけなくて。要は権利化できるかどうかの審査を特許庁に申請するということをまず最初にしないといけないらしくて。
土田晃之:はい、はい。
長嶋智彦:それをしていなかったので、特許はとれなかったんです。
土田晃之:とれなかったの?
長嶋智彦:はい。
土田晃之:とれなかったんだ。
長嶋智彦:これはすごい残念じゃないです。
土田晃之:今の3Dプリンターの基礎を作ったのに。
海外での評価「ランク賞」
長嶋智彦:はい。ですが、バスの中でひらめいてから15年後にこのこだまさんのアイディアが、イギリスの民間財団によって優れた発明に送られる「ランク賞」という賞を授与されたんですよ。
土田晃之:結局こういうところは海外の評価だったりするんですよね。
長嶋智彦:そうなんですよね。
土田晃之:必ずそうなんだよね。
長嶋智彦:3Dプリンターの基礎となる技術が世界で初めて評価された瞬間だったんですね。
土田晃之:へえ~。
長嶋智彦:ところがこの時に共同受賞者という方がいらして、その方がアメリカのチャールズ・ハルという男性で、チャールズさんは小玉さんに遅れること4年。84年に特許を出願して、3Dシステムズというベンチャー企業を設立したんですよ。アメリカでは通ったんですね。
土田晃之:はあ~。
長嶋智彦:この3Dシステムズという会社は、今や3Dプリンターの世界2大大手の1角ということで。
土田晃之:だからやっておけば良かったんだよ。
長嶋智彦:すごくないですか?
土田晃之:そうだよね。
長嶋智彦:この2人は天才ですから。
土田晃之:そうだね。
長嶋智彦:音楽業界で言ったらビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーですよね。
土田晃之:ううん、まあ、無理矢理ねじこんできたね(笑)
長嶋智彦:ははは(笑)
土田晃之:ビートルズ要素を(笑)
長嶋智彦:ははは(笑)
土田晃之:得意分野をね。
長嶋智彦:完全に天才の2人ですよね。
土田晃之:確かに。
長嶋智彦:そうですよね。例えばそのジョン・レノンとポール・マッカートニーで分けるとしたらこのチャールズ・ハルは特許を出願して3Dシステムズというベンチャー企業を立てたところで商売につながっているということで、ビートルズで言ったらポール・マッカートニーですよね。
土田晃之:ポール・マッカートニーなんだ。
長嶋智彦:ポール・マッカートニーはやはり商売上手ですから。
土田晃之:なるほど。
長嶋智彦:そしてアイドルでもあるんですけど。ジョン・レノンはやはり真面目ですから、それでやはりまっすぐなところもありますし、うまいところいけてないところもあるかわいらしさもあるということは小玉秀男 的だという。
土田晃之:小玉さんはジョン・レノンなんですね。
長嶋智彦:ジョン・レノンだと思うんですけれども、はい(笑)…ちなみに、そのランク賞を受賞されたお二人とも。チャールズ・ハルさんは1万ポンド、現在の日本円で約130万円の報酬。こだまさんは1万5000ポンド、約200万の報酬。つまり小玉さんのほうが報酬が多かったということで。
土田晃之:はあ~。
長嶋智彦:特許をとっていなくても評価してもらえたという。
土田晃之:そうか、認められているんだ。
特許を逃した日本「40億円の損失」
長嶋智彦:そうなんです。ここでその金額によって小玉さんのほうが評価されているというのが出ているわけですよね。小玉さんがもし、ご自身がもし自分が先に特許を取得していたらということで計算してみたんですよ、お金を。
土田晃之:やはりそうするよね。
長嶋智彦:しますよね。そうしたら日本だけで40億円!すごくないですか、これ。
土田晃之:もったいない。
長嶋智彦:アメリカで取得したらもう1つ0が増えるわけですから。
土田晃之:そうですね、確かに。
長嶋智彦:これはすごいです。
土田晃之:すごいね。
長嶋智彦:すごくないですか、これ。
土田晃之:やっぱり、ドクター中松さんもそうだもんね。日本の企業で受け入れられないから海外に持って行ったりするもんね。
長嶋智彦:はいはい。
土田晃之:そうなんだよね。
長嶋智彦:そうなんですよ。ビートルズも著作権の会社を作ったんですけれでも、著作権団体で管理しようとなった時にパーセンテージを間違えまして、その時は知らなかったのでジョン・レノンもポール・マッカートニーも。やっぱりパーセンテージを団体のほうに持って行かれて、管理会社のほうに持って行かれて、管理会社が50%、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが20%ずつ、マネージャーが10%というあまり良い思いをしなかったという時期もあったということで。
土田晃之:その辺もビートルズにつながるんですね。
長嶋智彦:そうなんですね。
土田晃之:…やっぱり研究者は、自分の研究でできた成果のほうに自信を持つから、お金的なことはもったいないのはあるけれども、でもやっぱりこれで満足ですと、でもやっぱり思うしかないよね。
長嶋智彦:そうですね。あとは見てくれている人が見てくれているんだと。
土田晃之:そうだね。自分を評価してくれている人がいるわけですから。
長嶋智彦:そういうことですよね。やっぱりこれから医療の方向だったり伸びてくるわけじゃないですか、3Dプリンターの技術が。
土田晃之:3Dプリンターはいろいろな業界で使われますもんね。例えば僕がチラッと見たのは靴のデザインも3Dプリンターで作るんだよね。それで実際に3Dプリンターで手にとって見て、もっとここのデザインを変えようとかあったりするからね。
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