危険球退場の澤村 桑田氏との“因縁対決”にも負けた!?
セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦(東京ドーム)が16日に行われ、巨人が阪神に2―5で敗戦。対戦成績は1勝2敗となった。先発・澤村拓一(26)がまさかの危険球退場で5回途中4安打4四死球4失点で無念の緊急降板。あの先輩との“因縁対決”に決着をつけることはできなかった。
東京ドームに響きわたった阪神ファンの「帰れ」コールを背に、澤村はぶぜんとした表情でマウンドを降りた。
5回無死一塁、上本に対しての3球目。直球が抜けて頭部を直撃した。まさかの一球に澤村は、マウンド上で投げ終わりの体勢のまま硬直。すぐさま、球審から「危険球退場」を宣告された。
初回から直球が154キロをマークするなど、球は走っていた。ところが3回、一死から投手の岩田にストレートの四球を出すと西岡、上本、鳥谷に3連打を浴びて2失点。それでも4回を抑え、立ち直りかけた矢先に無念の降板となった。試合後は上本に対して「申し訳ないことをした。明日謝りに行きます」と話した上で「短期決戦ではすべては結果。チームが勝てなかったことがすべてです」。早口で話すと、足早に球場を後にした。
そんな澤村について、チーム内でひそかに注目されていたのが、かつて巨人のエースとして活躍し、この日の試合を解説席から見守った桑田真澄氏との“因縁対決”だった。
テレビ解説を務めた際の桑田氏は澤村にとにかく厳しいことで有名。たとえ好投していても「いくら速いボールを投げても低めにコントロールされなければ意味がない」「リードのしようがない」と、これまで幾度となくバッサリ切り捨てられてきた。
あまりの厳しさに、チーム内でも話題になるほどで「澤村はよく、周囲から『見返してやればいいんだ』というハッパをかけられています」(チーム関係者)。そんな経緯もあっただけに、この日の澤村の投球には大きな注目が集まっていた。
では、この日はどうだったか。皮肉なもので、桑田氏は左打者の内角低めに直球を投げ込む姿に「前には投げられなかったボール。肩を痛めてフォームを改善して、投げられるようになった。素晴らしいですね」。甘かった制球に関しても「改善されていますね」と大絶賛した。それだけに危険球退場となったのは悔やまれる。
「(次の登板に向けて)頑張ります」と前を向いた澤村。次こそ結果を残し、桑田氏にも「完全勝利」といきたいところだ。