悩みは特にありません。

でも性格は暗いです。

朝の連続テレビ小説の思い出とか

必殺!人生送りバント
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私の父の口癖は「テレビばっかり見てるとばかになる」で、それなのに私が二十歳の時に定年退職してからは毎日テレビばっかり見るようになってなんだそりゃと思いました。
特に朝の連続テレビ小説が大好きになったらしく朝昼見ては母と「○○ちゃんは□□と結婚して本当に大丈夫やろかねえ」とか、親戚の娘かっちゅうぐらい真剣に心配しておりました。

毎日毎日私の知らない架空の人物の話を夕飯時にしつこく聞かされるのも苦痛だったし、朝の連続テレビ小説の主人公て前向きで明るくてひたむきな女の子が多いので「なんか『理想の娘像』みたいなの見出しとるんやろうなあ、くそう、お父さんなんて坂上二郎に似てるくせに」とよくわからない苛立ちも感じてました。
父が最後に観ていたのは『どんど晴れ』というやつで、入院してからも病室で見ていたののに、その最終回を待たずに死にました。葬儀その他のゴタゴタで私たちも見てません。
父の死後、母は全然笑わなくなって、テレビもあんまりつけなくなったんですけど、ある時からまた何となく朝の連続テレビ小説を見るようになりました。
それが次にはじまった『ちりとてちん』というドラマで、途中からの視聴だし最初は完全にながら見だったのですが、だんだんあれ?これおもしろいよ?みたいに引き込まれていって、翌日の放送を心待ちにするようになり、いつのまにか私はかつての父のように母と毎日感想を言い合うようになってました。
ドラマを見て母がふたたび笑うようになったのも嬉しかったし、「明日が楽しみね」と言うようになったのも、とても嬉しかったのです。

テレビなんて、と言う人もあります。私の夫なんかは特に「ドラマなんてただの作り話だし」と笑います。でもあの時の私と母にとってそのドラマは確かに希望でした。誰かにとっての希望になるのはけっして簡単なことでは無いと思います。

その後私は結婚して生活パターンが変わり、朝はバタバタしてテレビは時間の確認のためにつけているような状態で『スッキリ!』のテリー伊藤の服が何色だったかも家を出る頃には忘れてるみたいな状態で、何年も朝の連続テレビ小説を見ていなかったのですが、今やってる『マッサン』というのは何となく気になったのでわざわざ録画して見ております。今のところマッサンの髪型ばかり気にしてます。って言うとなんか全然楽しんでないみたいですが、わりと毎日頭の片隅ではやく録画したの見たいなあみたいなことを考えているので、私もだんだん父に似てきたんだと思いますし、もしかしたら外見も似はじめてそのうち私も坂上二郎みたいな顔になってしまうのかもしれません!ヤダ!ちょう人生送りバントッ!