(cache) サーチナ|大学入試で大規模詐欺・・・受験していない中学生にも「合格通知」、うち180人が金支払う=中国・河南  



大学入試で大規模詐欺・・・受験していない中学生にも「合格通知」、うち180人が金支払う=中国・河南


 河南農業大学を舞台に、高校3年生などに対して「本学への入学を認めます」などと連絡し、金銭をだましとる事件が発生していたことが分かった。これまでのところ、約480人の被害者がいることが分かった。被害者の中には、受験していない初級中学(日本の中学校に相当)を卒業したばかかりの180人がいたという。これまでに容疑者4人が警察に身柄を拘束され、うち1人は同大学の福学部長だ。中国新聞社などが報じた。  大学側は当初、学生側が支払った金額を返却するなどで、「表沙汰」にならないように処理しようとしたとみられている。10月8日から10日にかけて、大学側から入学を取り消すと宣告された学生多数が同大学敷地内で「私を学習の場に復活させよ!」と書いた横断幕を掲げて抗議したことなどで、広く注目されることになった。  高校生(一部は中学生)あるいは家族がだまし取られた金額は1人当たり6000元から2万元(約10万4000-約34万6000円)とされる。同大学の「学部」に相当する、河南省経済及び管理学院への合格通知だった。  警察はこれまでに、詐欺の容疑で河南思遠信息技術職業培訓練学校(情報技術職業訓練学校)の責任者と幹部、河南中原科技職業培訓学校の責任者に加えて、河南農業大学河南省経済及び管理学院の副学院長(大学副学部長に相当)の身柄を拘束した。  入学試験に合格していない学生も河南農業大学での講義を受けさせ、卒業時には河南思遠信息技術職業培訓練学校が卒業証書を発行する手口だったという。同学校は学位授与の資格を持っていない。  河南農業大学は、「入学許可は無効だった」と判明した学生299人に対して、入学取り消しと同時に被害額を「払い戻す」作業を始めた。同大学内で抗議した学生は「河南農業大学も詐欺に加担していた」と非難した。  その後、大学受験の資格がなく、受験もしていない中学生約180人も河南農業大学に「入学」できていたことが分かった。河南農業大学は中学卒業生については、河南財経学校に入学させた。河南財経学校は中等職業学校という、中学卒業生を受け売れる専門学校だ。  河南農業大学は、いったん受け入れた「中学卒業生」の保護者に対しては、「河南財経学校が支払金を払い戻す」と説明。保護者が河南財経学校を訪れると同学校は「(生徒受け入れに際して)金は受け取っていない。農業大学に支払ったなら、農業大学が払い戻すべきだ」だと、払い戻しを拒否したので、混乱はさらに大きくなった。 ********** ◆解説◆  中国の大学は統一方式で入学試験を実施している。「満点」は大学によって異なる場合があるが、河南農業大学の場合には750点で、合格ラインは500点程度とされる。受験した上で詐欺の被害者となった学生の得点は200-300点程度で、合格ラインよりもかなりしただったという。合格者の最終決定は政府教育部門の許可が必要だが、同大学が「多くの在校生を得て、授業料収入などを増やそう」として、組織ぐるみで詐欺事件を起こした可能性がある。(編集担当:如月隼人)