蹴球探訪
英に逸材16歳「夢は日本のフル代表」
サイ・ゴダード(3月18日)
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【スポーツ】<首都スポ>熱気球世界王者・藤田 メジャー化目指し、飛び続ける2014年10月16日 紙面から
栃木、群馬、埼玉、茨城各県にまたがる渡良瀬遊水地(面積33平方キロメートル)から生まれた、空の世界王者がいる。熱気球の藤田雄大(27)=やずやバルーンチーム。7月下旬、ブラジル・リオクラロで行われた第21回熱気球世界選手権で、日本人として初めて世界の頂点に立った若き「バルーニスト」だ。 (藤本敏和) バーナーを調節し、ボンベを切り替え、空気弁を操る。流れるような動きが、気球とともに育った王者の背景を物語っていた。栃木県下都賀郡出身の藤田雄大。物心もつかないころから、自宅近くの渡良瀬遊水地で気球に乗ってきた「気球の申し子」だ。 「競技しているときが一番楽しいです。世界選手権も刺激的で面白いフライトばかりでした」 父は元日本王者の昌彦さん(58)。初めて気球に乗ったのは1歳のときで、小学校時代から地上クルーとして各大会に参加してきた。免許を取得できる18歳からは自ら空を飛び、2007年に20歳で初出場した日本選手権でいきなり2位。世界選手権では12年に3位に輝き、27歳の今年、ついに世界の頂点に立った。 熱気球は、見た目ののどかさとは裏腹に複雑なスポーツだ。バツ印のターゲットにマーカーを落とす場面がよく知られているが、それも単純な片道飛行から経由地を経ての移動など、過程はさまざま。GPSマーカーが普及したため空中にゴールが設定される場合もある。 しかも、刻一刻と変わる気まぐれな風が相手。風を読み、地形を調べ、ルートを決め、高度を調節−。競技中は全く気を抜く間もない。だが、それこそが藤田が最も喜びを感じる瞬間でもある。ひとりバスケット内でノートパソコンを開き、複雑な要素を脳裏で組み合わせて最適の戦術を決める。その結果が世界チャンピオンの座獲得となった。 国内では無敵。計5戦で競われる日本で最も大きな大会「ホンダグランプリ」は前人未到の5連覇中。今年は春の第1、第2戦はいまひとつ調子が出ずに総合3位に甘んじたが、11、12日の第3戦、鈴鹿バルーンフェスティバルを制し、通算101ポイントで現在は総合首位に立った。 日本での熱気球大会は広々とした緑地を使う解放感や、色鮮やかな風船が大空に浮かぶ非日常感などが受け、開催地には数万人が集まることもある。ただ、スポーツとして見る人はまだ少数だ。「もっと競技としても見てもらえるようになりたい。世界選手権を取ったことも、そういう注目度を上げるきっかけになればと思います」。世界王者の存在は、熱気球をメジャースポーツに変える大きな力となるかもしれない。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中 PR情報
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