九州電力が太陽光など再生可能エネルギーの電力の新たな買い取りを中断している問題で、地熱や水力の発電分は買い取りの再開を検討していることが、17日わかった。発電量の変動が少なく、再開しても電力供給への影響は小さいと判断したとみられる。

 再開を検討しているのは、地熱と中小規模の水力で発電した電力。九電は9月下旬、天気による発電量の変動が大きい太陽光発電が急増し、電力の安定供給に影響が出るとして、一律に再生エネ電力の新規買い取りを中断した。しかし、地熱や水力は発電量の変動が小さく、事業者からは太陽光と同様に中断することへの不満の声が出ていた。

 このため九電は、地熱と中小水力は従来通りに買い取りを再開する方向だ。再生エネの買い取り中断件数は全体で約7万件だが、地熱などは30件程度で、出力ベースでも中断分全体の0・2%程度にとどまる。電力の供給量全体への影響も小さく、買い取りを再開しても問題ないと判断したとみられる。

 九電は再生エネの買い取り再開方針について、数カ月の検討を経てまとめる。再生エネの大部分を占める太陽光については、発電量の急増に対応するため、事業者に蓄電池の設置を求めることなどを検討している。(平林大輔)