日銀が17日実施した国庫短期証券(短期国債)の買い入れで、日銀が提示した購入枠に民間銀行からの応札が届かない「札割れ」が発生した。札割れは日銀が2013年4月に量的・質的金融緩和を開始してから初めて。世界的な金融市場の動揺で、安全資産として短期国債を手元に置いておきたいとの意識が民間で働いた可能性がある。
現在、日銀は短期国債をマイナス金利で買い取っている。民間銀行にとっては、満期まで保有するよりも高い価格で売れる有利な条件だといえる。ところが、この日の短期国債の買い入れオペ(公開市場操作)では、日銀が募集した購入枠3兆円に対し、民間金融機関の売却総額は2兆6220億円と、4000億円程度の札割れが起きた。
資産の買い入れ不調が続けば、年末時点の資金供給量(マネタリーベース)を270兆円にするという目標を達成することが難しくなる可能性もある。
日銀、札割れ、短期国債