御嶽山噴火:「スキー場が開くのか、山はいつ登れるのか」
毎日新聞 2014年10月16日 22時34分
56人が死亡、少なくとも7人が行方不明になっている御嶽山(おんたけさん、長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火で、長野県と岐阜県の災害対策本部は16日、年内の捜索を同日で打ち切ることを決めた。
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今季の捜索打ち切りについて、御嶽山のふもとの長野県王滝村では今後の集客に不安の声が上がった。
旅館に勤める80代の男性は「寒い中、無理だったんだと思う。捜索隊員は頑張った」と理解を示した。民宿を経営する60代の女性は「何人かが山に残ったことは気の毒で、家族のことを考えれば何も言えない。スキー場が開くのか、山はいつ登れるのか、先が見えない不安があるが、(観光客を)静かに待つだけです」と話した。
ふもとの同県木曽町は待機所や宿泊所を設け、心労が募る家族らを支えてきた。原久仁男町長は「家族のことを考えるととてもつらい決定。だが、(15日には)初冠雪があり、山頂での捜索の継続は厳しい。登山口を抱える自治体として、安全に登山を楽しめる御嶽山にするように努めたい」と述べた。【松岡大地、横井信洋】