2014年10月7日12時42分
広島県呉市で昨年6月、高等専修学校2年の女子生徒(当時16)が殺害された事件で、強盗殺人、死体遺棄、監禁の罪に問われた無職の少女(18)=広島市東区=の裁判員裁判が7日、広島地裁で始まった。少女の弁護人が起訴内容を大筋で認めた。被害者に「どうせ死ぬから財布なんていらんでしょ」と言ったとされることに対しては、少女は自ら「言っていません」と否定した。判決は24日。
少女について「刑事処分が相当」として検察官送致(逆送)した広島家裁の決定や起訴状によると、少女は無職の少年(18)=11月に初公判=と共謀。昨年6月28日未明、被害者を広島市内で車の中に監禁し、暴行を加えて現金などが入ったバッグを強奪▽呉市内の山中で被害者を絞殺し、遺体を捨てた――とされる。
事件をめぐっては、ほかの少年少女4人と無職瀬戸大平被告(22)=一審判決・懲役14年、控訴中=も関与。検察側は少女が事件を主導した動機について、冒頭陳述で「無料通信アプリ『LINE』上でお互いの悪口を言い合い、被害者を呼び出して暴行を振るうことになった」と指摘した。
昨年10月の家裁決定は少女について「不適切で過酷な生育歴が強く影響している」とし、粗暴な性格を矯正できる可能性は低くないとの判断も示していた。弁護人は検察側の冒頭陳述の後、少女の生育歴を書いた紙を裁判員に示した上で、少女を刑事処分ではなく、家裁に戻して保護処分にすべきだと主張した。
少女は9月にあった瀬戸被告の公判に検察側の証人として出廷。「最初はしばいてやろうと思った。かわいそうという気持ちがあったが、『引くに引けない』『このまま帰してはいけない』と考えた」と述べていた。
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朝日新聞社会部
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