不発弾:木魚と一緒に 民家ガレージ段ボール箱から 伊丹
毎日新聞 2014年10月17日 15時00分
兵庫県伊丹市の民家のガレージで16日、段ボール箱の中から不発弾が見つかった。県警伊丹署によると旧日本軍の砲弾とみられ、一時は民家の周囲を規制する騒ぎになった。爆発の危険性はないと判明したが、住人の70代の女性に心当たりはなく、「なぜあったのか見当もつかない」と困惑している。
伊丹署などによると、不発弾は16日午前11時半ごろ、建て替えのためガレージを整理していた業者が見つけ、女性の親族が110番通報した。長さ約30センチ、直径約10センチ、重さ3〜4キロで、信管もあった。署が弾の写真を見せるなどして陸上自衛隊に照会すると、「時間がたって火薬が湿っており、爆発する危険性はない」と回答を受け、いったん署に持ち帰った。近く陸自に処理を依頼する。
不発弾は1964年の日付の新聞紙にくるまれ、仏具店の店名が印刷された段ボール箱に、女性の義父(故人)が使っていた木魚とともに入っていた。義父は民家に50年代から住んでいたが、段ボール箱がいつからあるか女性には分からないという。
女性によると、義父は約40年前に亡くなるまで同居していたが、昨年亡くなった夫も含め骨董(こっとう)品を集める趣味もなく、「2人から思い当たるようなことも聞いていない」という。女性は「砲弾はかなりさびつき、おとなしそうに箱の中に入っていた。爆発することはないと聞いて安心した」と話している。【大森治幸】