<リニア認可>環境影響、懸念払拭されず
国土交通相から17日、事業認可が下りたJR東海のリニア中央新幹線計画。国土に新たな大動脈を建設する巨大プロジェクトが動き出すことになるが、静岡県内区間は南アルプスへの環境影響の懸念が払拭(ふっしょく)されていない。「子、孫世代のためにも事業ありきの推進は許さない」。関係者は地元が主体となった環境保全策の確立と事業への長期的な関与を強調した。
「ゆっくりと行われてきた岩石の風化作用が、トンネル掘削で一気に進む」
静岡県中央新幹線環境保全連絡会議の和田秀樹会長(静岡大名誉教授)は、何万年もの時間をかけて形成された山体を急激に改変することの不安をあらためて示す。
南アルプスは現在も年間4ミリ程度の隆起が続くとされる“生きた”山脈でもある。和田会長は地質構造に未解明な点が多いことも念頭に、モニタリングの重要性を指摘。「どんな影響や変化が出るか、正直分からない。新たな知見を得られる可能性がある工事の初期段階は、特に注視すべき」と話した。
トンネル工事では、何も対策を講じなければ大井川の河川流量が毎秒2トン減少するとの予測があり、流域約63万人の生活に直接的な影響が出る恐れもある。
島田市の染谷絹代市長はリニア計画そのものを「重要なプロジェクトと認識している」と前置きした上で、「懸念は残ったまま。大井川の水は大井川に戻すとの信念で万全の策を講じなければならない」と訴える。
掛川市の松井三郎市長も「流量減少を回避するための対策を、しっかり取ってもらわなければと思っている」とJRにくぎを刺す。10日には流域市町の首長と源流部を視察したばかりで、「関係自治体と連携しながら今後も要望、要請を重ねていきたい」と強調した。
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