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【社会】

御嶽山捜索打ち切り 来春以降に再開

御嶽山の山頂付近で行方不明者を捜索する自衛隊員=16日午前(陸上自衛隊提供)

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 五十六人が死亡し、七人が行方不明となっている長野、岐阜県境の御嶽山(おんたけさん)(三、〇六七メートル)の噴火で、長野県災害対策本部は十六日、山頂付近で積雪が記録されるなど二次災害の危険が強まったとして、同日で捜索を打ち切った。雪解けする来春以降に、火山活動が終息して入山規制が解除された段階で、規模を縮小して再開する。長野県の阿部守一(しゅいち)知事が同日夜の会見で明らかにした。 

 会見で阿部知事は「環境は日に日に厳しくなっており、これ以上捜索を継続すれば隊員の安全を確保できない。やれることは全てやり尽くした。苦渋の決断だ」と述べた。同県が派遣要請した自衛隊などの部隊は十七日朝から順次撤退する。

 災害対策本部によると、十六日に山頂付近で五センチの積雪を確認。今後、本格的な冬を迎えると二次災害の危険性が増すことが予想される。地面が凍結して探査棒やスコップで地中を調べることも事実上不可能になる。

 行方不明者七人の家族には県が打ち切りの経緯を説明している。今後も連絡を取って家族の心のケアに当たるとしている。

 警察と自衛隊、消防でつくる救助隊は、噴火翌日の九月二十八日に活動を開始。今月十五日からは過去最大規模の九百人以上の人員を投入し、十六日に全てのエリアの捜索を完了した。

 行方不明者の大半は同伴者の証言などから、剣ケ峰北側、八丁ダルミ、一ノ池の北西側にいるとみて重点的に調べたが、発見できなかった。

 行方不明者の帰りを待つ五家族の十九人は十六日昼ごろ、木曽地方事務所の副所長とともに自衛隊のヘリコプターで捜索の様子を視察し、説明を受けた。

 

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