ヴィレッジ:日本株ヘッジファンド開始、08年プラスの高松氏がCIO
10月17日(ブルームバーグ):シンガポールを拠点とするヘッジファンドのヴィレッジ・キャピタルは10月から、日本株 ロング・ショート戦略のファンド運用を約40億円で開始した。ベイビュー・アセット・マネジメントに在籍していた高松一郎氏(49)が8月、最高投資責任者(CIO)として加わり、来年中に残高100億円を目指す。
高松氏は、最高経営責任者(CEO)の木村俊哉氏(49)と同様に「リーマンショックのあった2008年にプラスのリターンを上げ、市場の負のイベントに対して競争力を発揮してきた」と強調。高松氏の08年のリターンは10%程度、13年は50%近くに達し、木村氏の運用成績も02年から09年の間は、06年と09年を除き安定的にプラスだったという。
高松氏によると、今回のファンドは個別の企業調査によりロング(買い持ち)では時価総額500億-1000億円の中小型株に積極投資する。ショート(売り持ち)は大型株が中心。目標収益は投資期間5-10年で年平均15%程度、リスクは10%程度に抑える。「最大のリスクは流動性」とし、原則3営業日以内にポジションの7割、10営業日以内に9割を解消できるよう流動性を確保する。
高松氏は、個人投資家の市場参加で株価が「オーバーシュートする局面もあり、収益機会が増えてきている」と話す。同社は、来年をめどに東京に法人を設立しアナリストを置くことも視野に入れている。
木村CEOは東京海上アセットマネジメントなどに在籍した後、00年から米ティーダマンインベストメントグループで日本株運用を担当。05年にヴィレッジを設立、10年から自己資金の運用をしていた。
一方、高松CIOは、シグナ・インターナショナル・インベストメント・アドバイザーズで株式運用部長を務めた後、04年にアルフェックス・インベストメンツを設立、10年からはベイビューAMで運用していた。
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更新日時: 2014/10/17 10:43 JST