そういう意味で、開始1分での横浜の失点は、この切り換えの遅さを目の当たりにするきっかけとなった。メンタルの部分である。自分達の現在のウィークポイントである右サイドを削られ、与えたコーナーキックから失点。それを引きずるように、失点してからのプレーも重い。前線から激しくプレッシャーに来る松本をいなせない。右サイドに入った野上ではパスを戻すのがやっとの状況でこれでは右の翼を広げられない。前線に当てに行くが、結局相手と同じ土俵に乗ってしまいバタバタするだけだった。
そう、ゲームの最初のポイントは、失点とその後の取り戻し方が全く出来ていなかった。例え自身の弱点を露呈したとしても、どうメンタルを切り換えるか。そして対応するのか。それが出来ないままプレーを重ねてしまう。あったことは仕方ない、平常心で自分達のプレーで奪い返す、そこまで集中出来なかった。
前半31分流れが傾いたまま松本・岩上にFKを直接決められて差を広げられた。ただ、実はその前に流れを変えるきっかけはあった。前半10分位だろうか松下裕樹が最前線までに顔を出してプレッシャーを仕掛けて相手DFと交錯する事があった。彼なりに現状を打破しようとする狙いで、自陣深いところからサイドに行き、そしてトップまで追いかける。実際松本守備陣の弱点はビルドアップで、それが丁寧に出来ないから蹴る方を選んでいる。たった一人のプレッシャーでも慌てさせられると他の10人が感じ取れなかった。
後半にって小池を右サイドにいれた事で安定したのと、松本も2点差があって必死に前線から来なくなったしゲームのペースをコントロールしたから横浜がボールを持てる時間もあったが、正直雌雄は決した後の話でしかなかった。0-2での完敗。プレーオフ挑戦は苦しくなった。
もう一つ。横浜のサポーターは選手へのミスに厳しい。ケアレスなミスでなくても選手を何度も責める。サッカーに限らず、スポーツはミスが必ずある。判断ミス、キックミス、トラップミス、パスミス等々、そして失点というミスもある。意図したプレーでも自分の意図にそぐわないと責める。先制点が全てだったという声があり、それは確かに結果論でしかないが失点した後に取り返す事が出来なかったのはチームの責任でもあるし、失点をブツブツと責め、ミスをすると責めるでは選手も戦えない。
「プレーするのは選手」論が横浜は強い。便利な言葉だ。プレーをするのは選手という言葉には、負けた時には俺らは関係ないよと暗に負の結果に距離を置いているニュアンスがある。負けたら「あっちいけ」とジェスチャーするサポもいる。
それでもここ数戦のプレーオフへの戦いで、「細かい事はいいから鼓舞するんだ」という気概があるのは長崎でも観てきたが、まだまだそれが90分間感じる事はない。あまりにも残念だ。それで強くなるのだろうか。勝てるのだろうか。人間は完璧ではないし、ゲームも相手があり完璧に進む事はない。だから、そのミスを忘れさせる、もう一回やる気にさせる応援が必要なはずだ。
試合後フリューゲルスのユニを着た人と野崎、南辺りが言い合いになりそうだったのだが、スタンドから一方的に文句を言ったところで何にもならない。こういう負けたら何言っても良い的な空気はどんどん排除しなければならない。ネガティブな事を直接選手に吐き出すので改善されるなら苦労しない。逆に負けた事をすぐにでも払拭する言葉を掛ける方が圧倒的に意味がある。
選手の力を1.1倍にも1.2倍にもする力がサポーターにはあると思っている。だからこそ結果責任もシェアしなければならない。「負けたのはサポーターの責任」と言い切れるかどうか。今の横浜ではきっと言えない。
でも自分はそう考えている。自分がゴール裏にいかないのはそれが大きな理由だ。昔はもっとバックスタンドでも怒っていたけど、いつからかそんな事をするためにチケットを買っている訳じゃないと気が付いた。
負けていいのか?という議論をするつもりはなく、負けて良い試合なんかないがそれでも勝負事は勝敗がある。失った結果は怒鳴ろうが、泣こうが喚こうが帰って来ない。それで何かに当たるのではなく、次自分が何を貢献出来るのか考える方が前向きだ。
まだ何も終わってないのにすぐに諦め、達観して選手よりも先に下を向く。「One Soul」と松本サポーターは叫んでいた。標語を叫ぶのは嫌いだが、彼らがそれで一つになるならそれも一つの手段だろう。横浜はそういう風に一つになって耐える事が出来ないから、上に上にと行くのは得意でも我慢比べはリーグ戦でも試合でも苦手だ。青と白の革命を歌うなら、負けは負けとして受け入れて次に切り換えるべきなのでは。飲み屋のおっさんみたいに、いつまでもクダをまいていても仕方ない。打ちひしがれていても仕方ない。選手を罵倒しても強くならない。
サポーターがする事は、シンプルに選手を応援し続ける事。それだけでいいんじゃないのか。負けても負けても、悔しい気持ちを抑えて自分達が一番なんだと誇りを持ち、すぐに次の試合どうするかを考える。それが出来るのが強いチームのサポーターなのではないかと思う。
【横浜FC2014観戦記の最新記事】
選手がこのチームが嫌いになることが多すぎます。
が、観に行った息子が試合の話を全然しないので
試合内容は良くなかったのだろうと推測していました。
やっぱり市村のケガは本人だけなくチームにとってもとても痛かったですね。
私達親子はサポータではありません。(なんらサポートしてませんから)
でも、横浜ファンではあります。
「後ろでボール回して何が楽しんだよ!」「もっと走れよ」とか
大声を出すときもあります。
その昔「プロだろ!」とか「金返せ!」と試合後に言ったこともありました。
おかきさんの発言を読んで反省してます。
横浜のサポータにはもっと盛り上げてほしいと思っています。
でもあんまり上手ではないですよね、他チームと比較しても。
うまくやれば、観客も増えると思うのですが。
----
できれば選手入場の際は手拍子ではなく、マフラー掲げて大声をあげる
ようにしてほしいと思うのは私だけでしょうか。
(相手チームの歌だけが聞こえるのはなんというか、意気が上がらない。。。)
はじめまして。まぁ自分も含めて、他のサポの事は他人事って部分が
横浜の弱いところだと思います。
自分はそんな聖人ではないです。
まぁ人間なんで文句の一つもあるし、自分もひどい負け試合では
さすがに拍手もしないし、声援なんか送らないですね。
サポーターが無関心でいるのが一番冷たい事だと思っているので。
ただし、しつこい罵声はしませんね。そんなのよりどう立て直すかを先に考えてしまいます。
Jリーグの観戦は良い子にしろみたいに受け取られ方をされるけど、
振り幅が大きすぎますよね。プロレスをやりたいなら、相手にも台本渡しとけって思う。
所詮サッカーでそんなに指を立てたり、罵声を浴びせたいの?と感じます。
無条件の礼賛じゃないんですよね。味方を鼓舞するのって。
現実を受け入れて変れないうちはずっとこのままの気がします。
私も1プレイヤーですが、やはり試合中のミスをなじられると凹みます(笑)
誰だってミスはします、それをどうやって次のプレーで取り返すかだと思います。
その部分のゴール裏のサポートが足りないのは残念です(以前よりは数段よくなりましたが)。
私は前半終了間際からの観戦だったのですが、選手の集中力が切れていたのが非常に気になりました。
残り試合数7で6位との勝ち点差9、いよいよ厳しくなってきました。
でもあきらめてしまったらそれで終わりだし、幸い直接対決が残ってます。
10/19、緑が戻った三ツ沢のピッチで選手たちが答えを出してくれることを信じています。
であれば、あきらめていないサポーターだけスタジアムに行けばいいですからね。
諦めていない選手に罵声を浴びせても何もならない。
自分の憂さを晴らす場所じゃないんですよね。
自分も行きますよ。文句は全部終わってから言いたい放題言えばいい。
可能性があるのに、ブー垂れてるなんてみっともないですからね。
そのときに「負けたことを選手だけの責任にしている」と書きましたが
また同じ状況になってますね。
実は私、結構な割合で横浜の試合を見ています。
ゴール裏の端っこで10人くらいの人と一緒に見ています。
そのグループの中には1歳の子供もいます。
今はまだわからないと思いますが
もう少し大きくなった子がこれを見てどう思うか?と考えてしまいます。
選手は我々にとってリスペクトすべき存在です。
お金を払ってるからと言って何をしても言っても良いとは思いません。
サポーターは神様ではありません。
喜びも悲しみも苦しみも同じ目線で共有していくのが選手とサポーターの関係じゃないかと思います。
今シーズンの結果が残念なことになろうともスタジアムにはいきます。
三ツ沢、水戸、平塚ぐらいですけど。
見ていて楽しいじゃないですか。
応援して楽しいじゃないですか。
> 自分の憂さを晴らす場所じゃないんですよね。
応援することで憂さ晴らししてるんですが。。。。
リスペクトしながら応援するぞ!
何度も三ツ沢にありがとうございます。
まぁこの試合の場合は、昨年の長崎戦みたいにはなってなく
逆に静まりかえっていて、一部の人間が罵声を浴びせたり、
中指立てたりしていた感じなので、ちょっと異なるのですが、
負けた試合で盛り立てられないのは、やはり「プレーは選手論」なんでしょうかね。
あまりにも残念です。
3試合でもよいです。
最後までがんばりましょう!