本日開催のアップルイベントより。ここでは iPad Air 2 と iPad mini 3のWiFi + セルラー版のLTE対応バンドについてチェックしていきます。結論から先に言うと、 iPad mini 3は従来のiPad シリーズと同じですが、iPad Air 2 は対応バンドが拡大。あくまでも仕様上の話ですが、そのまま使えるようになれば日本のユーザーにも大きなメリットがありそうです。
今のところ携帯各社からのアナウンスはありませんが、アップルのLTE対応表を見る限り iPad Air 2 と iPad mini 3はドコモ、au、ソフトバンクの3社に対応しています。iPad mini 3のLTE対応バンドはBand 1/2/3/4/5/7/8/13/17/18/19/20/25/26で、これはこれまでのiPad Air や iPad mini 2と同じ。各社のプラチナバンドと2GHz帯に対応しています。
これに対して、下り最大150Mbpsに対応した iPad Air 2 は、iPhone 6 Plus やiPhone 6と同じで、通信部分の世代が1つ新しいものです。同じセルラー版でも対応状況が異なり、通信のフラグメンテーション(断片化)に注意を払う必要がありまそうです。
iPad Air 2の対応バンドはBand 1/2/3/4/5/7/8/13/17/18/19/20/25/26/28/29/38/39/40/41。数字が大きい方のバンド、つまり中国圏のTD-LTEをサポートしたことで、おそらくアップルにとって重要な見込み客である中国市場をサポートしました。
日本国内にとってみると、LTEのBand 41をサポートしている点がポイントです。2.5GHz帯のTD-LTEにあてがわれている帯域で、UQコミュニケーションズの WiMAXおよびWiMAX 2+、そしてWireless City PlanningのAXGPがこの場所を使っています。
UQのWiMAX/WiMAX 2+網はauがMVNOとして利用しており、またWireless City PlanningのAXGPもソフトバンクがSoftBank 4Gの名前でサービス展開しています。データ利用に限った使い方になるiPad のセルラーモデルにおいては、対応している通信帯域と通信速度が重要です。
スマートフォンなどで経験しているユーザーも多いと思いますが、都市部では公衆WiFi網に繋がってしまったせいでかえって通信できない、もしくは遅いといったことがままあります。ならば自宅以外はセルラー網で運用したいと考えているユーザーも少なからずいるでしょう。
現時点では、Band 41はほかの通信帯域よりもユーザーが少なく、速度が出やすい帯域と言えます。ネットワークが混雑した地域でとくに使い出がある帯域と言えるかもしれません。ただし、あくまでもそれも繋がればの話。2.5GHz帯はプラチナバンドと呼ばれる700〜900MHz帯と比較すれば電波が回り込みにくく、ビルなど屋内では繋がらない可能性もあります。
このほか、700MHz帯のBand 28も国内に関係してくる帯域です。これは、ドコモとauが2015年1月にもLTEを提供する計画を出しており、ソフトバンクグループのワイモバイル(当時はイー・アクセス)も2015年12月にLTEにこの帯域を使う計画です。いずれの会社も現在この700MHz帯を利用している無線サービスが立ち退いた後にサービス展開することになります。