豪潜水艦建造で日本の協力要請、優れた静穏性に関心
[東京 16日 ロイター] - 豪ジョンストン国防相は16日、日本の江渡聡徳防衛相と会談し、オーストラリアが計画する潜水艦建造への協力を要請した。
オーストラリアはかねてから日本の潜水艦技術に関心を示していたが、公式に打診したのはこれが初めて。水面下で進んでいた潜水艦の日豪協力が本格的に動き出す。
防衛省の報道官によると、会談の中で日本側は、どのような協力ができるか検討すると応じたという。オーストラリアからの具体的な要望を踏まえ、協議を進めていく。
6隻の潜水艦を保有するオーストラリアは、2030年ごろに世代交代を計画。しかし独力で建造する能力に乏しいため、静穏性に優れた日本の潜水艦技術に関心を示していた。
これまでに両国は非公式に協議を重ねており、複数の関係者によると、オーストラリアは日本に建造を発注し、完成品を輸入することを有力な選択肢としている。
海外での建造案にはオーストラリア国内で反発が強まっているが、アボット首相は16日、地元経済への影響という観点から判断することはないと強調。メルボルンで記者団に対し、「オーストラリアの特定の地域、特定の企業にとって何が最良かではなく、軍にとって何が最良かという基準で決めなくてはならない」と述べた。
日本は4月に武器の禁輸政策を見直し、一定の条件を満たせば輸出や他国との共同開発を認める防衛移転三原則を導入した。オーストラリアへの輸出が実現すれば、完成品を海外に売却する初のケースとなる。日本は装備品の協力を通じ、オーストラリアとの安全保障関係を強化したい考え。
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