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 107人が死亡した2005年のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で電車が衝突した9階建てマンション(兵庫県尼崎市)について、JR西日本は、7月に示した一部保存の整備案をベースに最終案を作る方針を決め、遺族らに説明を始めた。遺族90組のうち69組から整備案に前向きな回答を得たという。11月29、30日に兵庫県伊丹市で開く説明会で最終案を示す。

 JR西の整備案では、事故の痕跡が残る部分を中心に4階まで残して階段状にし、1階は全て残す。全体を大きな屋根で覆い、線路側に壁を設ける。周辺住民や電車内の乗客からはマンションが見えないが、現場を走行する運転士からは見えるようにする。東側には慰霊碑を設置する。

 JR西はこの案に対する遺族らの意見を聴いた。今月15日から遺族に配られ始めた資料によると、意見を示した遺族90組のうち、48組が「今回の案でよい」とした。「一部見直した方がよい」は21組で、「運転士や乗客からマンションがもっと見えるように」といった意見が多かった。