ライトノベルがアニメ化されるとき、改変・オリジナル要素の追加は度々行われます。
目立つ変更は話題になりますが、アニメ全体でどれだけ変更が加えられたのかはあまり調査されていないので試しにやってみました。
調べた作品は『甘城ブリリアントパーク』1話と2話。原作者の賀東先生がシリーズ監修としてアニメに関わっているので、”作者が意図しているアニメ化に伴う変更点”が分かりやすいかなと思って選んでみました。
アニメ1話は原作1巻P5~P87、2話は同P87~P163を中心に映像化しています。
9割程度は原作通りですが、若干変更されている箇所がありました。
1.キャラクター
主人公の可児江西也に関する変更点。
バス車内でいすずにラブホテルと言われた場面での反応が大きく異なります。
原作では、
という反応で、挿絵でも殆ど表情は変わっていません。
一方、アニメでの反応。
コミカルになった。
ラティファにキスをされた場面で垣間見たものが変更されています。
原作では台詞があります。
アニメでは子どもの西也が拳を握りしめて、歯を食いしばって、膝をつくラティファを見ています。
テンポを良くするためだと思いますが、いすずの言うことを原作よりも素直に信じています。
以下の描写がカットされました。
いすずに魔法は同じ相手には一度だけしか使えないと言われたことが事実か確認する。
『メープルランド』が魔法の国だと信じない。
便所飯シーンがカットされ、ぼっち臭が減りました。
会議の後、栗栖に言い返さなくなりました。
原作では、「負け犬と付き合ってると、自分も負け犬になる。気をつけることだ」と言われた後、こう答えています。
併せて、ベンチに座った後の感情が変わっています。
原作では、
と考えて空中庭園へ向かいますが、アニメ版では、
と言って戻ります。
設定としては、高校1年生から2年生に変更。
原作では、1巻終了時点で2年生になりますが、アニメ版では最初から2年です。
次はヒロインの千斗いすず。
原作ではラブホテルと二回言いませんが、最初のデートの誘いの時、銃弾は二回ぶっ放します。大事なことなので。
アトラクションを見て回った後、西也が『だれかに夢を見せたいなら、まず自分たちがその夢を信じるべき』と熱く言った時、原作では目を丸くしましたが、アニメ版では表情が変わっていません。
この後、原作では『児玉誠也』について述べるだけでしたが、アニメ版では『可児江西也』についても述べます。
裸を見られた後、棒声できゃーと言うシーンが追加されました。
会議の最期でマスケット銃を取り出そうとしませんでした。
原作の以下のシーンがカットされています。
バカボンの警官並に引き金が軽かった いすずさんが!大人に!
ラティファ。
一番設定が変更された人。
原作では盲目だったのですが、眼が見えるようになっています。
イラストも、原作では目のハイライトがありませんが、
アニメではあります。
2話では、モッフルのことをおじさまというシーンが追加されました。
空中庭園のシーンも若干変更されています。
原作では、
とわざと明るい声で言っていましたが、アニメ版では悲しげな声色になっています。
地の文で演技だと説明ができないので変更したんだと思います。
キャスト全般。
精霊四人組が出るようになりました。
原作ではここまで精霊の出番はなかったのですが、1話も2話もセリフ付きで登場しています。
オープニングにもエンディングにも登場していますし、超優遇されている。
これも甘城ブリリアントパークに客を集めるため!
1巻P71~P80の『さべーじ』でマスコットが飲み会を開くシーンが大きく変わりました。
原作では西也が来場した初日に飲み会が開催されますが、アニメ版では支配人就任後に変更されています。
代わりに、原作ではティラミーの台詞で済まされていた「マカロンとティラミーが子どもに殴られたシーン」と「マッサージ機に座るシーン」が追加されています。
ティラミーの最低さがかなり和らぎました。
クソガキの母親のことを「三十路あたりの熟れまくった女だった」、「人妻ものの企画単体で通用するレベル」とゲスさ満点の評をしていたのですがカット。
マカロンはたばこを吸わなくなりました。
栗栖も吸わなくなったので、たばこは全員吸わなくなったのかもしれません。アニメによる禁煙効果が見込まれます。
支配人就任後のマスコット会では、マカロンとティラミーが転職について話さなくなりました。
モッフルで追加されたのはポン太くんのパクリキャラネタ。
アニメ1話では西也から「何が悲しくて、こんな何かのパクリみたいな奴」と言われ、2話ではワニピーに「二番手キャラ」と言われます。
モッフルからいすずへのメールはカットされました。
2.甘城ブリリアントパーク
甘城ブリリアントパークの動員数と譲渡条件が大きく変更されました。
原作の場合、
譲渡条件:年間動員数が100万人を下回る年度が五年間続いた場合
現入場者:90万人(残り10万人)
残り時間:2週間
支配人就任日の入場者数:1332名
アニメの場合、
譲渡条件:年間動員数が50万人を下回る年度が五年間続いた場合
現入場者:50万人(残り25万人)
残り時間:3ヶ月
支配人就任日の入場者数:203名
アトラクションや園内の様子はアニメ版の方が多く描写されています。
どきどきコースター、ブリリアントマーケット、わんぱく広場、フリーフォール、コーヒーカップなど。
その他、台詞や移動描写の細かなカットは多数ありました。
以上、2話までの変更点をまとめてみました。
ここまでは原作とほぼ同じですが、残り期間が大きく異なるので、今後は原作から離れていく可能性もありそうです。
2話のヒキを考えると3話は原作1巻の続きになりそうですが、4話からは原作2巻以降のネタやオリジナル展開を3ヶ月の間に挟むのかもしれません。
目立つ変更は話題になりますが、アニメ全体でどれだけ変更が加えられたのかはあまり調査されていないので試しにやってみました。
調べた作品は『甘城ブリリアントパーク』1話と2話。原作者の賀東先生がシリーズ監修としてアニメに関わっているので、”作者が意図しているアニメ化に伴う変更点”が分かりやすいかなと思って選んでみました。
アニメ1話は原作1巻P5~P87、2話は同P87~P163を中心に映像化しています。
9割程度は原作通りですが、若干変更されている箇所がありました。
1.キャラクター
主人公の可児江西也に関する変更点。
バス車内でいすずにラブホテルと言われた場面での反応が大きく異なります。
原作では、
「あれはラブホテルよ。テーマパークとは無関係」
「そ……そうか」
(P18)
という反応で、挿絵でも殆ど表情は変わっていません。
一方、アニメでの反応。
コミカルになった。
ラティファにキスをされた場面で垣間見たものが変更されています。
原作では台詞があります。
どこかの黄昏の中を歩く、小さな子供の後ろ姿。
彼がふりむき、こう告げる。
僕がついてる。
君を必ず助けるよ――
(P61)
アニメでは子どもの西也が拳を握りしめて、歯を食いしばって、膝をつくラティファを見ています。
テンポを良くするためだと思いますが、いすずの言うことを原作よりも素直に信じています。
以下の描写がカットされました。
いすずに魔法は同じ相手には一度だけしか使えないと言われたことが事実か確認する。
では、さっそくもう一度試してみよう!
いすずを凝視し、その心を覗こうとする。
だがいくら強く念じてみても、もう彼女の心の声は聞こえなかった。
(P92)
『メープルランド』が魔法の国だと信じない。
「まだ疑問は山ほどある。『メープルランド』とやらは、いったいなんなのだ?」
「海と大地の狭間にある、魔法の国よ」
「それは聞いた。本当の話をしろ」
(P96)
便所飯シーンがカットされ、ぼっち臭が減りました。
この可児江西也が!
友達がいなくて! 一人寂しく!
トイレで!! カレーパンをかじっているなど――絶対に認められん!
(P97)
会議の後、栗栖に言い返さなくなりました。
原作では、「負け犬と付き合ってると、自分も負け犬になる。気をつけることだ」と言われた後、こう答えています。
「それはどうも」
ぞんざいに答えながらも、西也は喉から反論が出てくるのをこらえきれなかった。
「……こんな東京のはずれで、『ダメな遊園地』の整理を任されている人の貴重な意見として、よく憶えておきますよ」
(P121)
併せて、ベンチに座った後の感情が変わっています。
原作では、
二週間後、このパークは潰れる。
当然の結末だ。
だが、それでいいのか? なにかできることもあるのでは?
(P125)
と考えて空中庭園へ向かいますが、アニメ版では、
「なんにせよ、心を読む魔法はどうにかしてもらわんとな」
と言って戻ります。
設定としては、高校1年生から2年生に変更。
原作では、1巻終了時点で2年生になりますが、アニメ版では最初から2年です。
次はヒロインの千斗いすず。
原作ではラブホテルと二回言いませんが、最初のデートの誘いの時、銃弾は二回ぶっ放します。大事なことなので。
アトラクションを見て回った後、西也が『だれかに夢を見せたいなら、まず自分たちがその夢を信じるべき』と熱く言った時、原作では目を丸くしましたが、アニメ版では表情が変わっていません。
この後、原作では『児玉誠也』について述べるだけでしたが、アニメ版では『可児江西也』についても述べます。
裸を見られた後、棒声できゃーと言うシーンが追加されました。
会議の最期でマスケット銃を取り出そうとしませんでした。
原作の以下のシーンがカットされています。
ああ、これはまずいのではないか――
西也がそう思うのと、いすずがスカートの下に手を伸ばすのはほとんど同時だった。
(P109)
バカボンの警官並に引き金が軽かった いすずさんが!大人に!
ラティファ。
一番設定が変更された人。
原作では盲目だったのですが、眼が見えるようになっています。
イラストも、原作では目のハイライトがありませんが、
アニメではあります。
2話では、モッフルのことをおじさまというシーンが追加されました。
空中庭園のシーンも若干変更されています。
原作では、
「お疲れさまです、みなさん」
明るい声でラティファは言った。
次のセリフはわかっている。あの子なりに、あの子らしく、朗らかに伝えようとするのだろう。
(P132)
とわざと明るい声で言っていましたが、アニメ版では悲しげな声色になっています。
地の文で演技だと説明ができないので変更したんだと思います。
キャスト全般。
精霊四人組が出るようになりました。
原作ではここまで精霊の出番はなかったのですが、1話も2話もセリフ付きで登場しています。
オープニングにもエンディングにも登場していますし、超優遇されている。
これも甘城ブリリアントパークに客を集めるため!
1巻P71~P80の『さべーじ』でマスコットが飲み会を開くシーンが大きく変わりました。
原作では西也が来場した初日に飲み会が開催されますが、アニメ版では支配人就任後に変更されています。
代わりに、原作ではティラミーの台詞で済まされていた「マカロンとティラミーが子どもに殴られたシーン」と「マッサージ機に座るシーン」が追加されています。
ティラミーの最低さがかなり和らぎました。
クソガキの母親のことを「三十路あたりの熟れまくった女だった」、「人妻ものの企画単体で通用するレベル」とゲスさ満点の評をしていたのですがカット。
マカロンはたばこを吸わなくなりました。
栗栖も吸わなくなったので、たばこは全員吸わなくなったのかもしれません。アニメによる禁煙効果が見込まれます。
支配人就任後のマスコット会では、マカロンとティラミーが転職について話さなくなりました。
モッフルで追加されたのはポン太くんのパクリキャラネタ。
アニメ1話では西也から「何が悲しくて、こんな何かのパクリみたいな奴」と言われ、2話ではワニピーに「二番手キャラ」と言われます。
モッフルからいすずへのメールはカットされました。
2.甘城ブリリアントパーク
甘城ブリリアントパークの動員数と譲渡条件が大きく変更されました。
原作の場合、
譲渡条件:年間動員数が100万人を下回る年度が五年間続いた場合
現入場者:90万人(残り10万人)
残り時間:2週間
支配人就任日の入場者数:1332名
アニメの場合、
譲渡条件:年間動員数が50万人を下回る年度が五年間続いた場合
現入場者:50万人(残り25万人)
残り時間:3ヶ月
支配人就任日の入場者数:203名
アトラクションや園内の様子はアニメ版の方が多く描写されています。
どきどきコースター、ブリリアントマーケット、わんぱく広場、フリーフォール、コーヒーカップなど。
その他、台詞や移動描写の細かなカットは多数ありました。
以上、2話までの変更点をまとめてみました。
ここまでは原作とほぼ同じですが、残り期間が大きく異なるので、今後は原作から離れていく可能性もありそうです。
2話のヒキを考えると3話は原作1巻の続きになりそうですが、4話からは原作2巻以降のネタやオリジナル展開を3ヶ月の間に挟むのかもしれません。
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コメント
ちょうどいいんじゃない
まともに物語してたのなんて一巻だけだから
だいたいラティファの目が見えているって設定で
どうやって話を作ってんだ?
まあどんな展開でもエロ推ししてれば売れそうね
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