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 宍道(しんじ)湖といえばシジミ、シジミといえば宍道湖と言われるほど、長くシジミ漁獲量全国一を誇った宍道湖(島根県松江市、出雲市)が、3年連続で2位に甘んじている。危機感を強めた地元は首位奪還をめざしてあの手この手の復活策を講じ、ブランド力もアップしようと躍起だ。

 東京・築地市場。シジミの取引量で、かつて宍道湖産はシェア2~3割を占めた。急転したのは2011年。前年秋に、稚貝などを含めた資源量が回復せず、品質と漁獲量が安定した青森産、価格の安い三重産に引き離された。今は1割に満たない。競り人は「全国的な需要減と宍道湖の不漁が重なった。いまさら島根産に戻せない」。

 宍道湖産の漁獲量は、1973年には年間2万トンを誇った。だが、その後は右肩下がりで、2011年は2200トンとピーク時の10分の1。昨年まで3年連続で、青森の十三湖に首位の座を譲っている。