クッキングパパ:1300回 作中登場の130人と撮影会

毎日新聞 2014年10月16日 10時55分(最終更新 10月16日 11時01分)

単行本130巻刊行を記念して仲間130人と記念撮影するうえやまとちさん(前列左)=福岡市博多区で2014年10月5日、関東晋慈撮影
単行本130巻刊行を記念して仲間130人と記念撮影するうえやまとちさん(前列左)=福岡市博多区で2014年10月5日、関東晋慈撮影

 週刊雑誌「モーニング」(講談社)で連載中の福岡を舞台にした人気漫画「クッキングパパ」が、16日発売号(台風の影響で一部地域遅配)で1300回の節目を迎えた。11月21日には単行本も130巻目の発売を予定しており、福岡市内のホテルで今月、作者のうえやまとちさん(60)=福岡県福津市在住=と作中に登場する飲食店主ら130人による記念の撮影会が開かれた。

 クッキングパパは1985年に連載スタート。料理好きで家事と仕事を両立するマイホームパパが主人公で、料理を中心に博多で暮らす人々とのエピソードが描かれる。登場人物のモデルとなった飲食店主らは「クッキングパパファミリー」と呼ばれ、5日にあった撮影会で、調理師の制服やエプロン姿など作中の姿で写真に納まった。

 主人公「荒岩一味」のモデルとなり、福岡県うきは市で、地域の住民と民宿を経営する大力(だいりき)英行さん(63)も駆けつけ「モデルになったことを連載が始まってから知った」などと思い出話で盛り上がった。

 連載に合わせて、作中の博多や天神の風景も変化し、登場人物も年齢を重ねてきた。京都精華大(京都市)の吉村和真教授(思想史・マンガ研究)は「地方都市の移ろいを記録してきた貴重な作品。事件は起きず、成長する登場人物の個性で読ませてきた」と話す。

 うえやまさんは「企画通り130人も集まるとは。みんなの顔を見ると30年間の物語一つ一つを思い出す」と感激。「30歳から描き始め、これほど長く続いたことが自分でも意外だが、まだまだ描き続けます」と集まった仲間の前で誓った。【関東晋慈】

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