御嶽山の年内捜索続行を断念、来春以降に再開目指す
2014年10月16日22時21分 スポーツ報知
56人が死亡し、依然として7人が行方不明となっている御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜県、3067メートル)の噴火で、長野県災害対策本部は16日、この日を最後に今年の捜索活動を中止すると決めた。山全域の捜索をほぼ終えた上、積雪などで2次災害の危険性が高まっているため、阿部守一知事が最終的に判断した。
16日夜に記者会見した阿部知事は「家族の帰りを待っている方がいる。苦渋の決断」と述べた。雪が解ける来春以降に火山活動のレベルをみながら捜索再開を目指す。
冬を前に最後の捜索となった16日は、山頂付近に雲がかかる可能性が高かったため捜索隊の輸送にヘリコプターを使わず、警察、消防、自衛隊の計約960人が主に陸路から入山。噴火時に多くの登山者がいた山頂付近の約26万平方メートルや、山小屋、登山道をあらためて調べた。
対策本部によると、15日に初冠雪した山頂付近は、16日午前8時20分時点で積雪は5センチだった。気温は1度ほどで、足元は凍結していた。
行方不明者のうち5人の家族ら約20人が16日昼、自衛隊のヘリコプターに乗り、捜索状況を上空から見た。自衛隊員が現場の様子を説明したという。
9月27日の噴火以降、捜索に投入された人員は延べ1万5000人を超えた。阿部知事は記者会見で、再開は早くても来春になるとの見方を示し、自衛隊には協力を求めず、地元の警察と消防で実施すると説明した。