Bluemix Challengeで競われたのは、IBMが提供するPaaS環境「IBM Bluemix」(以下、Bluemix)を利用して開発されたアプリケーションやサービス。応募総数259件から、第1次審査(書類と動作の確認)、第2次審査(審査員によるディスカッション)を経て、最優秀賞1名、優秀賞2チームが選ばれました。
授賞式やパネルディスカッションが行われた後、CodeZineでは、受賞者にお集まりいただいて座談会を実施。受賞アプリの開発やその過程で感じたBluemixの魅力などについて話をうかがいました(聞き手は、CodeZine編集部 市古 明典)。
Bluemix Challengeの受賞者と受賞アプリ
最優秀賞、優秀賞を受賞されたのは、以下の皆さんです。
最優秀賞
アプリ名
「BLUECOUPON」
受賞者
猪谷 貴姿子氏
BLUECOUPONは、iOS 7のiBeaconという近距離無線通信機能を使ったクーポンの発行システムです。iPadアプリにiBeaconのサーバとクライアントの両方の機能を実装し、クーポンの発行から利用までを1つのアプリで実現します。
iPadを2台以上用意し、1台をサーバ、それ以外をクライアントとして起動します。クライアントは約50メートル内にサーバを発見すると、クーポンをダウンロードできます。サーバは、クーポンの作成、Bluemix上へのアップロードに加え、実際にダウンロードされて使用されたクーポン数のグラフ表示機能、Salesforceとの連携によるリード(見込み客)管理、Twilioとの連携による電話会議といった機能をサポートしています。
猪谷氏は、Javaやオブジェクト指向を使ったシステムの開発を経験し、現在はインベントリ管理システムの開発・運用に携わっています。最近、iOSでの開発も始めたそうです。
優秀賞(1組目)
アプリ名
「chirpbox」
受賞チーム
Pセ21G(株式会社日立ソリューションズ カーセム・ユーセフ・カマール氏、岸田 博幸氏、長堀 哲氏)
chirpboxは、翻訳機能を備えたチャットアプリです。相手のチャットの言語を自動認識し、選択した言語で翻訳して表示します。9カ国語に対応しています。開発期間は約1ヵ月。
カマール氏はレバノン出身で来日4年目。東京大学大学院を卒業後、株式会社日立ソリューションズに入社し、現在はC/C++/C#のアプリ開発に従事しています。同僚である岸田氏(座談会は欠席)は同じくC/C++/C#のアプリ開発、長堀氏はJavaのライブラリ開発を行っています。
優秀賞(2組目)
アプリ名
「Sleeff」
受賞チーム
aclab team a(筑波大学 小木曽 里樹氏、川岸 卓司氏、青木 拓也氏、古川 聖也氏)
Sleeffは、蓄積した睡眠量や活動量および予定から、最適な睡眠を提案するアプリです。直近3日分の予定に合わせて、取るべき睡眠の長さや期間、提案された睡眠を取った場合の体力推移予想を表示します。開発期間は約1週間。
小木曽氏、川岸氏、青木氏、古川氏は筑波大学の音響システム研究室に所属。なんと全員、Webアプリ開発は初めてだったそうです。
受賞された皆さんにBluemixでの開発について感想を聞いてみると、従来のWebアプリ開発と大きく異なる体験であったことが浮き彫りになりました。初めてWebアプリ開発に挑んだaclab team aの皆さんも、戸惑う部分はありながら、BluemixとIBMの提供する開発環境のサポートがあって完成までこぎつけることができたようです(次ページから、座談会のトークです)。