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武田&前園氏がアギーレ戦術を徹底糾弾「年俸2億円でこの程度の試合か」

東スポWeb 10月16日(木)9時0分配信

 アギーレジャパンに怒りの緊急提言だ。サッカー日本代表は14日、シンガポールでブラジルと対戦し、0―4と惨敗。FWネイマール(22=バルセロナ)に4ゴールを奪われる屈辱を味わった。なかなか強化が進まない新チームの現状を、元日本代表FW武田修宏氏(47)と同MF前園真聖氏(40)の本紙評論家コンビがメッタ切り。なかでも、王国との一戦にベストメンバーで臨まないという“迷采配”を見せたハビエル・アギーレ監督(55)の戦術を徹底糾弾した。

 完全な力負け。惨敗を喫したブラジルW杯の悪夢が再びよみがえった。前半18分、ネイマールに最終ラインの裏を取られて早々に先制を許した。後半に入ってもネイマール一人に3分、32分、36分と次々にゴールを決められ、ハットトリック+1の屈辱。日本は一瞬の隙を突きFW岡崎慎司(28=マインツ)やFW柿谷曜一朗(24=バーゼル)がゴールに迫ったが無得点に終わり、世界との差をまざまざと見せつけられた。

 前園氏は「これだけボールを簡単に回されて、手も足も出ない試合は久しぶりでした。後半に入ってギアが上がると何もできませんでした。試合を見ればスコアも妥当なものと思います。ただ公式戦ではなく、親善試合ですから。やられ方は情けないですが…」と嘆いた。

 武田氏も語気を強めて言う。「日の丸を背負って戦うのに…。攻守両面で組織的なプレーが出せていないし、チームとして狙いどころも見えない。選手たちも球際で負けてばかりで、闘志も感じられなかった。まだスタートしたばかりというのはあるにしても、明らかにザックジャパン時代よりも力が落ちている」

 王国との対戦に向け、アギーレ監督は予告通り10日のジャマイカ戦から先発6人を入れ替えた。ところが、エースFW本田圭佑(28=ACミラン)やDF長友佑都(28=インテル)をはじめとする欧州でプレーする主力組まで先発から外した。ピッチに立ったのは若手メンバーが主体だった。

 前園氏は指揮官の戦略を疑問視する。「ベストな選手で先発を組まないのはどうなんでしょうか。ブラジルと対戦する貴重な機会なのに、若手のテストをしましたけど、それならばジャマイカ戦で試せばよかった。ブラジルを相手にやることではありません。これでは苦労して、ブラジルとマッチメークした意味が全くないです」

 試合前にはブラジル対策で綿密なミーティングを行った。だが、いくら世界を代表するプレーヤーとはいえ、ネイマールの前に完敗。

 武田氏も「フリーでプレーさせ過ぎていた。もっと激しくチェックしないと止められない。同じ選手にやられているのに、試合中に(マークなどを)修正できないから4点も取られる。ネイマールも最後のほうは完全に遊んでた」とあきれ果てた。

 そもそも、日本代表の指揮官がアギーレ監督でいいのか。武田氏は就任当初からこの疑問を抱いてきただけに、舌鋒鋭く指摘する。「就任後4試合もやって全く形が見えないのは問題でしょう。日本サッカー協会が年俸2億円も払って、この程度の試合しか見せられないのはどうかと思う。このままアギーレ監督に任せていいのか。代表は常に真剣勝負であって育成の場ではない」

 一方で、前園氏は「個の力の差が違いすぎた。例を挙げると、日本人はパスコースがないと迷って他の選手に頼るばかりですが、ブラジル人は局面を個人で打開します。考え方が違うんです。まだ準備段階ですけど、ここからどう指導していくのか」と名将の手腕に期待しているが…。

 来年1月には連覇がかかる公式戦のアジアカップ(オーストラリア)が控えるなか、アギーレジャパンは大丈夫なのか? 多くの疑問と不安が残る“シンガポールの惨劇”となった。

最終更新:10月16日(木)11時27分

東スポWeb

 

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