サンパウロ=田村剛
2014年10月16日19時38分
ブラジル南部の町ポルトアレグレで、65年間連れ添った80代の老夫婦が、ほぼ同じ時刻に亡くなる出来事があり、「愛の絆の物語」として人々の関心を呼んでいる。夫が死去した約40分後、妻も手をつないだまま後を追うように息を引き取ったという。
地元紙フォーリャ・デ・サンパウロなどによると、亡くなったのは夫のイタルビノ・ポッサさん(89)と妻のジバさん(80)。夫は昨年8月から白血病で入退院を繰り返していたが、今年5月に妻も膀胱(ぼうこう)に腫瘍(しゅよう)が見つかって入院。2人は同じ病院の隣同士のベッドに横になり、今月3日、夫が息を引き取ると、妻も昏睡(こんすい)状態に陥り亡くなった。
2人は1949年に結婚。冗談が好きな似たもの夫婦だったという。10人の子どものうち3人は早くに他界。娘のファチマさん(58)は「楽しいだけの人生ではなかった」と振り返る。それでも、14人の孫と6人のひ孫に恵まれた。孫のラファエルさん(25)は「2人は苦しい時ほど助け合い、一緒にいた夫婦でした」。(サンパウロ=田村剛)
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朝日新聞国際報道部
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