2014年10月16日木曜日

世論調査なんて無視しておっけー、有権者なんてついてくる

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有権者の意向を気にする政治家は多いと思うが、そう細かく気にする必要は無いかも知れない。少なくとも二名の政治学者、カリフォルニア大学バークレー校のBroockman氏とセントルイスのワシントン大学のButler氏が行なった社会実験では、有権者は政治家が自身が支持しない政策を取ろうとしていても、政治家への評価は変えないそうだ(ft.com)。

彼らの実験手順は次のようなものだ。まず、7人の民主党の地方議員に関わっている政策について質問をする。次に、それぞれの選挙区で、政策それぞれについて世論調査を行う。それぞれの選挙区で、最近の公衆の支持によって四つの政策を分類する。有権者に政治家から三種類の手紙のうち一つを送る:(a)政策には触れない『偽薬』、(b)政治家が不人気政策をはっきり支持する内容、(c)政治家が不人気政策を支持し、その理由を説明する内容。最後に、それぞれの政策と、政治家に関して世論調査を行う。

結果は、議員の政策的立場が書かれた手紙を受け取ったうち5%弱が、議員の支持する政策に反対になりづらくなり、5%強が賛成しやすくなった。また、興味深いことに、手紙の内容は賛否に影響しなかった。不人気政策を支持する理由を説明しても、しなくても変わらないそうだ。また、政治家自身への印象が悪化する事も無かったそうだ。Broockman氏とButler氏は、政治家が政治的姿勢を打ち出すだけで、有権者の見解を形成できると結論している。

日本でも福田康夫内閣が、イラク戦争での海上自衛隊による給油活動の継続を主張していたら、最初は不人気であったのに徐々に政策支持率が上昇していったことがあったと思う。政治家がある程度信頼されていれば、世論を形成する事は不可能では無いと言う事であろう。もっとも鳩山政権の普天間基地移転問題、菅政権の消費税率引き上げ法案などを思い起こすと、一貫した政治的姿勢を持っていない政治家も少なくないようだ。そういう人々だからこそ、ついつい世論におもねる言動に走り勝ちかも知れない。

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