すると、だんだん周りの人と話が合わなくなってくる。
「誰?」
「洋楽?興味ないんだよねー」
「これ、歌いつはじまるの?えっ?ないの?」
そんな辛酸なめ子な状況で長い時間を過ごしたがゆえに、少しでも話の合いそうな人を見つけると、砂漠を数日さまよった果てにオアシスを見つけた流浪の旅人が最後の力を振り絞って湖へ飛び込むがごとく、グワアアアーーーっと怒涛の勢いで話してしまう。
結果。
「いや、あなたにちょっと話を合わせようとしただけで、そんなに好きじゃないんですけど…」
という具合にドン引きされる。
普段、あまり喋らないのもあいまって驚異のドン引き率120%。
なんだこれ?
ギャップ萌えの逆はなんて言うんだ?
ギャップ萎え?
ギャップがあると異性にモテるなんてのは幻想だね。こちとら異性どころか同性にもしっかりドン引きされてるからね。
「もうお腹いっぱいだから…」
ってリアルに友人(野郎)に言われましたからね。はい。
そんなわけで。
賢明な皆様は
「趣味が合いそうだな」
と思える相手が現れた時も、砂漠にオアシスを見つけたと思ってダッシュしてルパンダイブしたらやっぱり蜃気楼だったのねとジャリジャリした砂を噛み締め涙も枯れ果てて崩れ落ちる私のようにならないように。
自分ばかり喋らずに様子を伺いながら、時には相槌なんかも打って相手のペースをあわせつつ。なごやかに会話を楽しむようにしましょう。
本日の一言。
俺の屍を越えてゆけ。