女優の蒼井優と鈴木杏が共演した岩井俊二監督の映画『花とアリス』の前日譚(たん)が、長編アニメーション映画『花とアリス殺人事件』として2015年2月に公開されることが明らかになった。岩井監督はウェブで公開された「TOWN WORKERS」で短編アニメの監督経験はあるものの、長編アニメは本作が初挑戦。アニメ版でも蒼井と鈴木が主人公たちの声を務める。
アニメ版も蒼井優×鈴木杏!『花とアリス殺人事件』フォトギャラリー
蒼井と鈴木がブレイクするきっかけとなった映画『花とアリス』(2004)は近年流行しているWヒロインものの代表的な作品で、本作はその前日譚にあたる物語。中学3年生の“アリス”こと有栖川徹子(蒼井)と、隣の家に住む不登校のクラスメート“ハナ”こと荒井花(鈴木)の出会いと友情を描いている。
実写とアニメという違いはあれど、約10年ぶりに同じ役を務めることになった二人。蒼井は「アリスだったあの日から、早10年。声もだいぶ、野太くなっていますが、頑張りました」と切り出し、「またアリスになることができ、心からうれしかったです」と喜びを語った。一方鈴木は「花とアリスに再会できて、とてもとてもうれしいです。10年経って30歳近くになった(!)わたしたちが中学生の声になれているのか……ちょっと不安」と心中を明かしつつ、「でも観てくださる方が楽しんでくださればいいな、と思います」とアピールした。
本作で脚本と音楽も担当する岩井監督は、10年経ってもハナとアリスの二人を忘れられない様子で、「作品を作り終えてもなお、あの二人は僕の中に居座り、10年の歳月が過ぎてもなお、平然とそこに居続け、 気がついたら僕にこのアニメを作らせていた。二人がいつまで居座る気なのか、それはちょっと僕にもわからない」と自身にとって二人がどれほど大切なキャラクターであるのかを語った。ハナとアリスは一体どのように出会ったのか、さらに実写版の二人が10年経った今、アニメ版でどのような演技を見せるのかに注目だ。(編集部・吉田唯)
映画『花とアリス殺人事件』は2015年2月全国公開