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競合から逃げていたら、イノベーションは起こらない。『レッド・オーシャンで儲ける7つの法則』
- 2014/10/16
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- Yudai Imamura
出典:picjumbo.com
企業がビジネスを展開する市場を選ぶ際のポイントは、競合の少ない「ブルー・オーシャン」を探すこと。これは市場選びの基本理論としてこれまで扱われてきましたが、時にはライバル企業に囲まれた、通称「レッド・オーシャン」で勝負していかなければならないこともあります。
そしてこのレッド・オーシャンから抜け出すには、新しい価値を生み出す企業のイノベーションが必要不可欠。今回は『レッド・オーシャンで儲ける7つの法則』という本から、競合に立ち向かうための企業戦略の秘訣を、少し覗いてみましょう。
”取り替える”だけでもイノベーションに
もともとイノベーションの考え方の基本は、「ゼロから新しい価値を生む」ことではなく、既存のものを組み替えて、新たな枠組みを作り出すこと。この新たな枠組みの構築に向け著者は、イノベーションの前には、既存の製品・サービスを様々な要素に分解しておくことが必要だと説いています。
そして、製品・サービスを「部材」まで分解したのであれば、一部を新たな部材に取り換えただけでも、画期的なイノベーションになり得るそう。ある分野では競争力を発揮できない平凡なものでも、他分野に移ることで新境地を開拓できる可能性が見えてきます。この”取り替え”を用いたイノベーションの好例として、著者は次のようなものを挙げています。
時には”足し引き”も必要
「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉があるように、製品に求める機能・スペックは、多ければ多い程よいというものではないようです。消費者にとって、過剰な機能やスペックは煩雑に成りかねません。オーバースペックの製品やサービスは消費者の選択肢から外されてしまう可能性が高いのだとか。飽和・過剰の時代には、イノベーションの「引き算」も価値になり得るのです。このイノベーションの「足し引き」を上手く活用しているのが、喫茶店やレストラン等の「禁煙化」。
このように、その商品やサービスにはどの機能が必要で、どれが不必要なのかを消費者目線で見極めることが、イノベーションの成功には求められます。顧客にとっての価値が何なのかを考えれば、「足し引き」の線引きも明確になることでしょう。
市場選びでは、ブルー・オーシャンで事業展開することが良しとされていますが、市場も変化し続ける現代では、今いる市場がいつまでも安泰、と言う保証はありません。しかし、競合が多いからといって勝負をすぐに諦めるようでは、企業経営は務まらないでしょう。いくら競合に囲まれても、イノベーションを成功させることはできます。大事なのは戦略次第、ということですね。
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最初の1分で、信頼関係は決まる。『一分で一生の信頼を勝ち取る法』に学ぶ最強の自己紹介
- 2014/10/15
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- Yudai Imamura
出典:picjumbo.com
ビジネスで成功を掴む決め手となるのは、仕事相手との信頼関係でしょう。営業でクロージングに結びつけるのも、会社内の昇進も、全ては顧客や上司との信頼関係次第。そして相手に信頼されるかどうかは、初対面時の自己紹介でほぼ決まってしまうようです。
これをピンチと捉えるか、チャンスと捉えるかはあなた次第。だって、ものの1分の自己紹介で、相手から信頼を勝ち取れるのですから!今回は元NHKアナウンサーとして、番組視聴率20%超えを叩き出した実績を持つ矢野 香氏の著書『一分で一生の信頼を勝ち取る法』から、相手の心を1分で掴む”最強の”自己紹介法を学んでいきましょう。
一文50文字、1分300字がNHK流!
NHKは、日本で唯一の放送に関する研究所を所有しており、そこでは正確かつ豊かな「話し言葉」のノウハウの研究がなされているそうです。NHKの局員は当然、そこでの研究がベースとなっている研修を受けているのですが、著者はこの研修から、相手の信頼を勝ち取るための話し方の”ルール”を独自に編み出しました。その一例が、「一文50文字以内」「1分300文字」というもの。
まず気をつけたいポイントは、話す際の一文が長くなってはいけない、ということです。これは文章を書く際にも注意したいところですが、一回に話す言葉の量が多ければ多いほど、本当に伝えたい主旨のピントがボケてしまい、何を言いたいのかがわからなくなってしまいます。逆に一文が短ければ、伝えたいことはより明確になり、相手にも力強い印象を与えることができるのだとか。
また、伝わりやすさを向上させるためのもう1つのルールが、「1分300文字」です。NHKアナウンサーの間では、この「1分300文字」というアナウンスのスピードは共通認識。編集スタッフも、アナウンサーのこのスピードに合わせ映像などの切り替えを行っているので、アナウンサーが少しでも早口だったり、遅かったりすれば、ニュースの内容と映像は噛み合わなくなります。著者が言うには、1分300文字というペースは、相手に一番伝わりやすい理想の速度。
あなたも自己紹介の内容を文字に書き起こし、「一文50文字以内」「1分300文字」のペースが守られているかチェックしてみましょう。何の考えもなしにダラダラと自己紹介してしまっては、相手の心には届きませんよ。
「PLEP・LP法」で、相手をファンにしよう
「PREP法」をご存知でしょうか? これはPoint(結論)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論)の順番で話す方法のことを指しており、主にビジネスでのプレゼンテーションなどで論理的に話したい時にオススメとされている手法。この方法に則り自己紹介しても良いのですが、著者は”最強の”自己紹介をするために、この「PREP法」をさらに応用させた「PREP・LP法」を紹介しています。
「PREP・LP法」とは、上記のExampleという要素の後に、Passion(情熱)、Letʼs(誘い)、Please(お願い)という要素を加えて話す方法です。具体的なフォーマットとしては、Point「私は~だ」、Reason「なぜならば~」、Example「たとえば~」、Passion「私はずっと~だと思ってきた」、Letʼs「~しましょう」、Please「どうぞ~してください」という具合に自己紹介のシナリオを作ってみてください。
「PREP法」との違いは、後者の方が相手への訴えかけの要素が強いため、聞き手がよりあなたの考えに賛同し、ファンになってくれるということ。一度ファンになった相手は、継続してあなたのことを信頼してくれることでしょう。現在スピーチコンサルタントの仕事をしている著者が、政治家のクライアントにこの「PREP・LP法」を取り入れるよう指導したところ、今のところ選挙で当選し続けているそうです。
一文の量や話すスピードだけに気を配るだけでは、まだ”最強の”自己紹介とは言えません。相手への強い訴えかけを自己紹介の中に盛り込んでこそ、初めて相手の心を動かすことができるのです!
相手と信頼関係を築くことは、ビジネスの成功には欠かせません。しかしこの信頼関係、あなたは徐々に築いていくものだと考えてはいませんか?最初の1分で、相手が自分のファンとなってくれるかどうかは、大方決まってしまうようです。あなたも”最強の”自己紹介を身につけ、信頼を勝ち取るためのスタートダッシュを上手く切り出しましょう!
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消費者たちが生み出すイノベーション。『ユーザーイノベーション』が新しい未来を創る
- 2014/10/14
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- 臼杵 優
by _Max-B
「イノベーション」とは「新結合」のことを指し、既存のアイディアから新しい価値を想像することをいいます。わかりやすい例を挙げると、Apple社のiPhoneによって既存の電話にイノベーションが起きました。
現在は、消費者たちがイノベーションを起こす時代です。企業も率先してWeb上にプラットフォームを続々とリリースし、ユーザーはそれを利用してオープンにアイディアを公開するようになりました。
今回は、ユーザーによるイノベーションがどのようにして起こってきたのか『ユーザーイノベーション』をもとにご紹介します。
イノベーションの民主化が進んでいる
ユーザーイノベーションはまず、リードユーザーがイノベーションを起こしたことを発端に広まり始めます。リードユーザーとは新しい物を率先して試している層の人たちのことです。ユーザーが起こしたイノベーションが企業に影響を与えられることを知り、ユーザー達は拡散を始めます。それを「イノベーションの民主化」と著者は述べており、これは着実に進んでいるそうです。
分かりやすい例として、雑貨店にあるお洒落なマスキングテープがあります。これもユーザーイノベーションによってできた商品です。マスキングテープはもともと簡単に剥がせることから、塗装をする際に色移りしないよう貼っておくテープとして認知されていました。
マスキングテープは剥がすのが簡単であることに着目したユーザーが、レターセットの封筒を閉じる時などに活用したことから、雑貨店にあるお洒落なマスキングテープが登場したのです。
コミュニティに属しているユーザーのイノベーションが瞬く間に広がる
個人のユーザーが起こしたイノベーションが、どうして企業に影響を与えるようになったのでしょうか。コミュニティが大きく貢献しているからです。個人で完結しているイノベーションは世に出ることはありませんが、特定のコミュニティ(サークル、Web)を通じて拡散していきます。
イノベーションの拡散は、特にWeb上で顕著に起こっています。活用法を発見したユーザーはインターネット上にブログやSNSを通じて簡単に発信することが出来ます。そして、有用性があると感じたその他のユーザーが拡散するという仕組みが成り立っています。このようにして、ユーザーがイノベーションを起していく「イノベーションの民主化」が形成されていきます。
企業よりも優れたイノベーションが起こる可能性
この「イノベーションの民主化」が進むことによって、企業よりも優れたイノベーションをユーザー達が起こす可能性がでてきました。企業と違い、ユーザーはあくまで消費者。消費者は、日常で便利になる活用法があればすぐ実践するので、実用性に富んだイノベーションを起こせます。
そして、企業もその動きに着目し、ユーザーによるイノベーションの影響を受けて数々の商品が販売されるようになっています。インターネット上で気軽にイノベーションを公開できる時代だからこそ、企業もコストを掛けずにアイディアを得られるようになりました。今後、ますますユーザーイノベーションが普及していくと著者は述べています。
「イノベーション」という言葉の従来のイメージ、企業や専門的な組織が起こすと思われがちでしたが、個人がイノベーションを起こす時代が既に始まっています。本書では、ユーザーイノベーションによる商品化事例など詳細が書かれていますので、未来のイノベーションについて考えたい方は手にとってみては?
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正しいリーダーシップを発揮するための「権力学」を学べ!多くの日本企業に欠落している『独裁力』とは
- 2014/10/14
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- Yudai Imamura
出典:picjumbo.com
企業のグローバル化が進み、昨今では日本企業も続々と海外に進出し始めています。しかし多くの日本企業に見られる不安要素の1つ、それは強いリーダーシップを発揮できる人物に欠けていること。
組織をまとめ上げ、意思決定、実行の統一ができなければ、よりスピードが求められるグローバルビジネスについていくことができません。世界と渡り合える企業となるために、組織を動かす「権力学」を学びましょう!今回は『独裁力』という本と一緒に、会社のトップが強いリーダーシップを発揮していくための仕組み作りについて考えてみることとします。
本のハイライト
日本企業に蔓延る、間違った企業体制
日本企業には、トップが強いリーダーシップを持つことを妨げる様々な障害が存在する、と著者は語っています。その1つが、「すりあわせ至上主義」というもの。企業はどんなアクションを行うにしても、中間管理職を中心とした意思決定前の”すりあわせ”に、必要以上の時間をとられています。
「強みを活かす」ことに縛られがち、というのもリーダーシップを妨げる要因の1つ。会社全体が「強みを活かす」という意識を強く持ってしまうと、結果現状維持のままでも正当化されてしまう、という事態に陥る可能性が。競合に勝つことが目的のはずで、強みを活かすのはそのための手段に過ぎません。トップが社内の”強み重視”な考えに屈し、自己保全に走ってはならないのです。
組織の権力構造を学ぼう
リーダーが正しくリーダーシップを発揮するために、まずは組織における権力構造を理解しましょう。組織の権力構造は、「コア支持層」「コア予備軍」「一般メンバー」の3つのタイプの支持者数によって決まります。
取締役会や幹部社員などに代表されるコア支持層に対しては、自分を支持してもらう対価として何を与えるのか、が支持の強さや持続性を図るためのポイント。そのためトップは、どのような報酬を与えるかを設計する必要があります。すなわちコア支持層は、権力者がインセンティブも含めてコントロールすることが可能である一方で、自分達への報酬と、権力者への忠誠を秤にかけていることを認識しましょう。
また、コア支持層の予備軍は影響力を持つものの、コア支持層のように権力者を解任できるような権力までは持ち合わせていません。一般メンバーはその他の関係者になります。
権力を正しく使う法則
では、具体的にどう権力を働かせればいいのでしょう?著者は組織における権力の法則について、4つ挙げています。その1つが、コア支持層の数をできるだけ小さくする、という法則。権力者にとって重要なのは、自分のサポーターであるコア支持層を常にコントロールすること。コア支持層の数は少なければ少ないほど、それぞれの実力や行動の把握がスムーズに。そのため仕事がやりやすくなり、下克上も押さえ込む、という効果も生まれます。
2つ目は、第一層を常に不安定な状況に置くことです。コア支持層を入れ替え可能な不安定な状態に置くことで、自分に対抗する反対勢力が生まれる余地を作らない、という効果があります。強い影響力を持っているコア支持層は常にけん制しておくことがポイントだと言えそうですね。
第二層の予備軍を増やすことも、効果的な法則の1つ。常に「代わりはいくらでもいる」という状況をつくり出すのです。第二層の厚みを増すことで、コア支持層を自分の好みどおりに構築することができます。
最後は、自分のコア支持層にはきちんと報いる、という法則です。上記で、コア支持層は与える報酬がコントロールのカギとなる、というお話をしました。この報酬についてですが、満足感はあるものの、多すぎない報酬という設計が望ましいそうです。長続きする中小企業は、番頭に裁量を持たせず、社長ががっちり財布を握っているもの。報酬の按配を見極めることが、組織のコントロールには必要なのです。
タイトルにある「独裁力」、聞くとあまり良いイメージを持つ人はいないかもしれません。しかし、権力をトップに集中させることを恐れた結果が、組織が1つにまとまらない、という事態を招いてしまったのではないでしょうか?組織内に存在する「権力」を上手にコントロールすることが、強いリーダーシップを発揮することに繋がりそうですね。そのための権力の仕組みを、まずは学んでみましょう!
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