イスラエル軍から激しい攻撃を受けたガザ地区東部。停戦成立前と変わらず、多くの建物は破壊されたままになっている。住民はがれきの上にテントを建てたり、壊された建物の窓に布を張ったりして暮らしている。
停戦成立から1か月半 進まないガザ地区再建
自宅がミサイルの直撃を受けた男性。家の壁に大きな穴があいたままだ。ほかの場所に移り住む蓄えもなく、12人の家族が身を寄せ合って生活している。壁も押さえないと倒れてしまう。男性は「まともに住める状況ではなく、絶望的な気持ちだ」と話す。
街の再建はなぜ進まないのか。ガザ地区を封鎖するイスラエルが、食料などの搬入は許しても、セメントや鉄筋など本格的な再建に欠かせない建設資材の運び込みを認めていないからだ。先月、外国の人権団体の援助を受け初めての仮設住宅が建設されたが、破壊された住宅は少なくとも1万8000棟にのぼり、数少ない仮設住宅だけでは対応できないのが現実だ。
再建に欠かせないセメントなどの搬入をイスラエルが認めないのには理由がある。ハマスが作ったイスラエル側へと通じる地下トンネルだ。地下トンネルは今回の軍事作戦でイスラエルにとって最大の脅威となった。イスラエルは、こうした地下トンネルはかつてガザ再建のために運び込まれた建設資材を使って作られたと見て、資材が再び流用されることを強く警戒しているのだ。
かつてない規模で行われた今回の攻撃では、ハマスの戦闘員が潜んでいるとして学校や病院なども攻撃の対象にされた。病気のため足が不自由なホッサム・カズレンくん(15)。隣の町に避難して無事だったものの、自宅は破壊され、通っていた病院も大きな被害を受けて再建のめどが立っていない。新たにけがをした人への対応に追われる病院で、必要な治療を受けられなくなったホッサムくん。「身の回りのものが何もかも破壊されてしまった。この先どうなってしまうのか心配で仕方ない」と話す。
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