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エボラ出血熱 週1万人新たに感染のおそれも
10月15日 19時24分

エボラ出血熱 週1万人新たに感染のおそれも
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西アフリカで広がるエボラ出血熱について、WHO=世界保健機関は、12月の初めには1週間当たりの新たな感染者数が、現在の10倍に当たる1万人に急増するおそれもあると警告し、国際社会に対策を急ぐよう求めました。

WHOは、14日、これまでにエボラ出血熱やその疑いによる死者が、西アフリカのリベリアやシエラレオネなどを中心に4400人を超えたと発表し、死者の数は先月初めに2000人を超えたあと、このひとつきで倍増しました。
また、感染者の数も、このひとつきで倍以上増えて8900人を超えたと発表し、新たに感染する人が急増しています。
WHOによりますと、エボラウイルスに新たに感染する人の数は、ことし7月以降に急激に増え、20日から30日ごとに2倍になるペースで増え続けているということです。
そのうえで、WHOは、有効な対策が講じられない場合、この勢いが増す可能性があると指摘し、現在、1週間当たりの新たな感染者数1000人程度が、12月の初めには10倍に当たる1万人に急増するおそれもあると警告しています。
エボラ出血熱に対応するため新たに発足した「国連エボラ緊急対応ミッション」のバンベリー特別代表は「今エボラ出血熱を抑え込むことに成功しなければ、対処する方法すら分からない未知の状況に陥ってしまう」と強い危機感を示しており、国際社会に対策を急ぐよう改めて求めました。

エボラ出血熱の治療法

現在、エボラ出血熱に有効な治療薬や予防のためのワクチンはありません。
脱水症状には点滴、出血による貧血には輸血というように、それぞれの症状に応じた対症療法でしのいでいるのが現状です。
ワクチンについては、アメリカやカナダなどで開発が進められ、治療薬についても日本の会社が開発した薬などが試験的に患者に投与された例はあります。
ただ、専門家によりますと、薬の安全性や有効性は最終的に確認されておらず、数も限られているものが多いということです。

専門家「日本に入る可能性は低い」

エボラ出血熱などウイルス性の出血熱に詳しい、国立感染症研究所ウイルス第一部の西條政幸部長は、「医療従事者への二次感染が起こったアメリカやヨーロッパに比べると、日本は流行地域との間を行き来する人の数が大幅に少ないので、日本に入ってくる可能性は低いと考えられる。また、万が一入ってきたとしても、エボラ出血熱は、患者の血液など体液に触れることで感染するので、衛生状態のよい日本で、エボラの流行が起こる可能性は非常に低い。患者に接する医療従事者を除けば、基本的に一般の人が心配する必要はない。ただ、日本に入ってくる可能性がゼロではないので、空港などでの検疫で患者をきちんと把握し、感染を広げないための態勢は、しっかりととっておく必要がある。また医療従事者も感染予防策など病気についての正しい情報を得るよう努めることが大切だ」と話しています。

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