外国人観光客の間で「抹茶菓子」が空前のブームとなっている。抹茶味のキットカットやポッキーなどが訪日時の「おみやげ」などとして大人買いされているのだ。メーカーは新商品を発売し、小売店も売り場の外国語案内を充実させたりと、あの手この手で需要を喚起。ユネスコ無形文化遺産に和食が登録されたうえ、10月からは菓子が免税品の対象になることもあり、関連業界の期待は増すばかりだ。(田村慶子)
「マッチャ、マッチャ」−。大丸梅田店(大阪市北区)の地下食品売り場では最近、そう言いながら買い物する外国人客がよく見られるという。
抹茶そのものも人気なのだが、外国人観光客の増加に伴い注目度を増しているのが、抹茶味の菓子だ。大丸梅田店では抹茶味の飴(あめ)や饅頭(まんじゅう)などの販売が1年ほど前から増えてきた。同店広報担当の樋口陽子さんは「中国や台湾などアジア圏の観光客を中心に売れている」と、抹茶人気を実感している。
抹茶菓子人気の火つけ役となったのは、チョコレート菓子「キットカット」。抹茶味は日本限定で販売しているため日本旅行の定番みやげとして人気になっている。製造するネスレ日本によると、免税店での抹茶シリーズの売り上げは、平成21〜25年までの5年間で10倍超に急増した。
同様に、江崎グリコのポッキーやコロンも人気が高まっている。大阪・難波にある「ぐりこ・や道頓堀店」では、抹茶味のシリーズを求めて中国人の団体客が目立つ。「食べ歩き用に1個、おみやげ用に10個入りの段ボール箱がよく売れる」(広報)ため、客単価は1万円以上になることも珍しくない。
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