計56人が死亡した御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火で、長野県警、消防、自衛隊は14日、台風19号の接近で2日間中断した行方不明者7人の捜索について、15日は入山する人員を従来の倍近い約千人態勢にする方針を決めた。14日午後に陸上自衛隊のヘリコプターで偵察したが、雲が厚くて頂上付近が見えず、15日朝にヘリや先遣隊を送って捜索を再開するかどうか判断する。阿部守一知事は14日、登山道や山小屋を再度点検して山頂一帯での面的な捜索もやり直すとし、「御嶽山全体を対象にした捜索になる」と強調した。
県災害対策本部によると、15日は山麓や岐阜県側の人員も含めると計約1900人態勢。入山する約千人のうち、約370人を自衛隊ヘリコプターで山頂付近に輸送。残りは長野県側、岐阜県側各3カ所の登山口から入山し、登山道などを調べる。
山頂付近では、これまで重点的に調べた一帯の全ての山小屋、剣ケ峰、八丁ダルミ、一ノ池、二ノ池付近などであらためて手掛かりを捜す。
気象庁は、15日は午後から雲が広がり、午後3時以降に弱い雨が降るとの予報。寒気の影響で、15日の山頂付近の気温は日中でも氷点下の予想で、雪が降る可能性もあるという。阿部知事は14日夜に開いた同本部の会議後、「環境はどんどん厳しくなっている。一刻も早く行方不明全員を発見する」と決意を示した。