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はっけんの水曜日 2014年10月15日
 

サケの遡上めぐり

すすめ!シャケ太郎!
すすめ!シャケ太郎!
この歳になってくるといろいろ社会の荒波にもまれて
やっていくのがつらくなってくる。

気力・体力の減退、仕事先のクレーム、親父の愚痴。せまりくる様々な困難から逃げ、疲れて空を見上げる時、脳裏をよぎるのは、鮭、サケの姿だ。

この秋、強固な意思を持って生まれた川に戻り、激しい流れにあらがって力強く進むサケを見習いたい。
伊藤健史 伊藤健史(いとうけんじ)
1975年神奈川県生まれ。普段は会社勤めをして生計をたてている。 有毒生物や街歩きが好き。つまり商店街とかが有毒生物で埋め尽くされれば一番ユートピア度が高いのではないだろうか。 最近バレンチノ収集を始めました。
> 個人サイト バレンチノ・エスノグラフィー

サケを見るならやはり北海道だろう

9月終わりの週末、女満別(めまんべつ)空港は想像していたよりあたたかかったが、時折強めに肌を撫でる横風は日本の北限近くを思わせる冷たさと鋭さを隠し持っていた。
ボーカロイドがお出迎え。
ボーカロイドがお出迎え。
北海道では9月の下旬から11月にかけて、サケが生まれた川に帰り、産卵のために流れをさかのぼる「溯上(そじょう)」が様々な川で観察できる。
 
せっかくだから札幌近郊ではなく道東方面に行ってみようとあまり深く考えずに週末を利用してやってきた。

この土日で道東をぐるりと回って釧路〜十勝へとサケを見て回るというルート。車のハンドルをにぎり地図を眺める。
「北海道、広いな…」
女満別空港からひたすら知床方面へ。
畑広っ!
畑広っ!
直線ながっ!
直線ながっ!
目的地を設定するたびにカーナビ第1声は「この先、5km以上、道なりです」

10年程前、札幌に出張した時に乗ったタクシーの運転手との会話を思い出した。
「お客さん、どちらの出身ですか」
「あ、私は神奈川県です」
「神奈川県ですか、神奈川はですねー札幌の○○公園の第○公園(すいません詳細な記憶がないです)と同じくらいですよ」北海道はでかいのだ。神奈川なんか公園なのだ。

サケがゆらゆら遠音別

約2時間のドライブで遠音別川(おんねべつがわ)に到着。オホーツク海沿いを走り世界遺産、知床へと続く国道334号線の下を横切るように流れる水深の浅い川で、秋になると大量のサケやカラフトマスが遡上する事で知られている。
国道沿いのパーキングエリアより。道の向こうはオホーツク海。
国道沿いのパーキングエリアより。道の向こうはオホーツク海。
遠音別橋。この下の川をサケが遡上してゆく。
遠音別橋。この下の川をサケが遡上してゆく。
熊も河童も釣り禁止。
熊も河童も釣り禁止。
川岸には間近でサケを観察できる簡易な観覧施設もあるが昨今起きた崖崩れの影響で現在は閉鎖されている。
手前左の階段。向いの崖崩れにより半分以上が土砂で埋まっており、立ち入り禁止。
手前左の階段。向いの崖崩れにより半分以上が土砂で埋まっており、立ち入り禁止。
閉ざされた門、鮭のレリーフがかっこいい。
閉ざされた門、鮭のレリーフがかっこいい。
観光バスなども立ち寄っていた。
観光バスなども立ち寄っていた。
川面を覗き込むと流れに背いて列を成す大魚の群れが!
おお、混み合っている!
おお、混み合っている!
鮭だ!おかえりなさい!(なれなれしい)
鮭だ!おかえりなさい!(なれなれしい)
川を埋め尽くすとまではいかなかったが、それなりの数の鮭達が河口から約300m程上流で集団を形成していた。
ただ、テレビ等で見るように体をガンガンぶつけあいながらアグレッシブにジャンプして上流にのぼるというよりは、流れが緩くなった所でゆらゆらたむろしている。
いそいでない。心から水泳を楽しんでいる。
いそいでない。心から水泳を楽しんでいる。
先を争うというよりはなんかこう、みんなでボブ・マーリーのワン・ラブみたいなレゲエのヒットナンバーに合わせて、体をゆらしてラブ&ピースみたいな、フェスみたいな。フェスか?今フェスやってんのかあんた達は。
トノサマバッタはアグレッシブに飛びまくっていた。
トノサマバッタはアグレッシブに飛びまくっていた。


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