【シリコンバレー=兼松雄一郎】米IT(情報技術)大手が社員による卵子の冷凍保存を資金支援する福利厚生策を導入し始めた。米フェイスブックが来年から最大2万ドル(約210万円)まで全額を補助するほか、米アップルも同様の支援策を決めた。米国の社員が対象となる。コンサルや金融といった業種で導入されていた施策がIT企業に広がってきた。
卵子の冷凍保存は女性の社会進出が進む米国都市部で利用が増えているが、冷凍処理や維持費に高額の費用がかかる。シリコンバレーでは大企業とベンチャーが優秀な人材の獲得競争を繰り広げている。卵子保存の支援も女性社員らの引き留め策の拡充といえる。
フェイスブックは同社の保険の対象となる女性従業員のほか、配偶者や米国内在住のパートナーも対象に補助する。アップルも補助額はフェイスブックに近い水準に設定する見通し。当初は米国本社で取り入れ、将来は海外にも拡大する計画。
アップルは、不妊治療や子供ができなかった場合の養子縁組の費用の補助も始める。こうした補助は米国内に在住する社員のパートナーやパートタイマーにも同じ条件で適用されるもよう。産休期間の上限も延長した。
アップル、フェイスブック