Amazonアソシエイトを経由すれば著作権侵害を気にせずに画像を貼れるし、クリックされれば小銭も稼げるよ!という記事が話題になっています。
著作権侵害をせずに、芸能人の写真を思う存分使える『ブログ用の写真検索さん』が凄い!しかもクリックされれば自分の報酬にもなります。 - SONOTA
ツイッターなどでは「これは便利」「教えてくれてありがとう」といった絶賛する声が多く見られました。
一方で、批判の声も多々あり、私もそんな虫のいい話があるの?と気になったので、このサービスを使うべきかどうか判断材料になりそうな情報を個人的にまとめてみました。
あくまで参考になりそうな情報であって、著作権上の答え・Amazonの見解そのものを書いているわけではありませんのでご容赦ください。
「ブログ用の写真検索さん」はいつからあるのか?
そもそも「ブログ用の写真検索さん」はいつからあったんでしょうか?
これは以下の2つのツイートからわかるように、「ブログ画像ゲッター」という前身のサービスがあり、少なくとも2009年から存在していたようです。
ブログで使える画像をFlickrとAmazonから検索する「ブログ画像ゲッター」 http://tinyurl.com/7nfm4y
— コグレマサト (@kogure) 2009, 1月 15
ブログ画像ゲッター改め「ブログ用の写真検索さん」 http://t.co/IWrkBV4q
— コグレマサト (@kogure) 2012, 8月 31
2009年から今まで物議を醸すことなく運用されていたサービスのようですが、幸か不幸か、件の記事がホットエントリーに入ってしまった?ことで脚光を浴びてしまったということでしょうか。
登録された商品画像はアマゾンの物?
まず、議論の一つとして、著作権に関する問題があります。が、勉強不足で深く言及できませんので、参考になりそうな情報を一つ紹介します。
それは、元々の画像の権利者(出版社、著者、ベンダー)がAmazonに画像をアップロードした場合の考え方についてです。
Amazonのヘルプページにはかなり強烈な文章が書かれています。
貴社ご自身が、貴社の著作権物である画像を商品詳細ページにアップロードする場合、その画像を商業的又は非商業的に有効利用し、無償の、非独占的で全世界的な耐久的かつ取り消し不可能な権利を、アマゾンおよびその関連会社に対して付与されておりますことをご留意ください。
これは次のツイートからもうかがい知れます。
Amazonからの回答
・一度登録された商品画像はアマゾンの物となる。
・他の出品者がアマゾンに登録された画像を使うのは規約違反ではない。
・だからAmazonとしては対応しかねる。
だそうです。写真の物とは違う商品に使われてる点はスルーされました(汗
— ヒロ@ベアーズワーク (@be_work) 2013, 12月 3
つまり、通常は著作権上使うことができないような画像も、Amazonに商品画像としてアップロードされていればAmazonが権利を保有していることになるので、Amazonアソシエイトを経由して使える、という解釈は合っていそうです。
NaverまとめでAmazonの画像が使えるのもこういった背景があるからなんですね。
“クリーンな”まとめは可能か、「NAVERまとめ」が公式画像1億枚を用意 -INTERNET Watch
Amazonアソシエイトの利用規約に従っているか?
さて、そうすると重要なのは、画像の使い方がAmazonアソシエイトの利用規約に従っているかどうかです。
ポイントなりそうなのはAmazonアソシエイト・プログラム運営規約の第5条です。
ここはぜひご自身で読んでいただきたいのですが(私は正しく説明できるほど理解できていませんので……)、おおよそ次のようなことが書かれています。
- 自身のサイトに掲載される素材の正確性、完全性、適切性は保証してね。
- 関連する個人・企業の権利を侵害しないように素材を使ってね。
- ここに書いてある事項含めて、関連するクレームは全部あなたの責任ね。アマゾンは無関係ですよ。
1つ目はトリミングすることがこれにひっかからないか?2つ目はAmazonが権利を保有する商品画像が含まれるか?で解釈が変わってきそうです。
ただ少なくとも3つ目を読んだら色々と慎重にならざるを得ませんよね。
挿絵として使えるか?
「ブログ用の写真検索さん」の使い道としては、おそらく挿絵を考えている人が多いかと思います。
先のAmazonの利用規約の解釈によりますが、いずれにせよしっかりと引用要件を満たす形で使えば問題ないはずです(トリミングの問題は置いておいて)。
挿絵が引用要件を満たすかどうかの考察は次の記事などをご覧ください。
ちなみに、Googleなどで探すと「ブログ用の写真検索さん」の前身である「ブログ画像ゲッター」を運営していた方のブログが見つかりますが、そこでは次のような文が書かれています。
あ、挿絵が本文と全く関係ないのはいつものことなので気にしないでください。ブログ用の写真検索さん – Amazonの商品画像を公式加工を使っています。
Amazonアソシエイトを経由すれば、商品紹介目的でなくても・引用要件を満たさなくてもAmazonが権利を持っている画像を挿絵として使っていい、という解釈のようです。
実は前であげたNaverでもそういった使われ方が許容されています。そうするとこの解釈で正しいのかもしれません。
誤クリック誘導はAmazon利用規約違反か?
NaverでOKなんだし「ブログ用の写真検索さん」も件の記事の通りの理解でいいんじゃない?となりそうですが、Naverと「ブログ用の写真検索さん」には大きな違いがあります。
Naverは画像の下にしっかりとAmazonのロゴと商品名が表示されているんです。一方、「ブログ用の写真検索さん」は一切そういった表示がなく、画像をクリックするとAmazonへリンクが飛ぶことが想定できません。
ただ、これが明確にAmazonアソシエイトの利用規約違反か?というとそういった文面を見つけることはできませんでした。うーん、どうなんだろう。
ちなみに、楽天アフィリエイトでは「誤解を与えるおそれのある行為」として、画像のみを表示するような使い方が利用規約違反であることを説明しています。
購入サイトに移動することを、サイト訪問者が予見できない掲載方法はNG
まとめ
ということで、Amazonへ聞けよ!と言われそうですがなんとなく分かる範囲で問題点とそれにまつわる参考情報をまとめてみました。
今のところ私は、トリミングせずに・画像クリックでAmazonへ飛ぶことがわかるような説明を加えて・商品紹介目的または引用要件を満たす形で使う分には問題ない……と解釈しています。
ただ、芸能人の画像などは、肖像権やパブリシティ権も考慮に入れるべきでしょうし、「これは便利!」と考えなしに使っていいサービスではないと思います(個人の感想)。
そういえば、はてなブログも↓の通りAmazonの商品画像を貼ることが出来ますがAmazonのロゴと商品名は表示されていません。
クリックするとはてなキーワードのページに飛び、そこに改めてAmazonへリンクとわかるように商品紹介が貼られています。
なんでこんな動きなのかな?と前から気になっていましたが、誤クリックに関するAmazon規約(もしあるならば)への配慮なのかもしれませんね。