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【正論】ノーベル賞が物語る日本の真価 作家・三浦朱門

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【正論】
ノーベル賞が物語る日本の真価 作家・三浦朱門

 今年のノーベル物理学賞は赤崎勇・名城大教授と天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の3人の日本人学者に授与されることになった。私は文系の人間で、この方たちの業績をうんぬんできる能力はないが、受賞しなかったものの、平和賞に「憲法9条を保持してきた日本国民」も有力候補とされていたようだ。

 ≪戦勝国の偏見と思想の変化≫

 ノーベル賞のうちで平和賞というのは、私はあまり信用していない。日本では過去に佐藤栄作元首相が受賞している。佐藤元首相は「非核三原則」や日本と中国、韓国など第二次世界大戦後の近隣諸国との関係進展に貢献した。また、中国で平和賞を受賞した劉暁波氏は反政府運動で「犯罪者」にされている人である。

 平和賞には人類の平和への願いが込められているとはいえ、「国際平和」という言葉の中には、どうも政治的な条件が入りそうな気がして、ノーベル賞にふさわしくないという気が、私には捨てきれないのである。

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