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トップ > シゴタノ! > 早起きを定着させるために「プレクロ」の開始時刻を厳守する




大橋悦夫とにかくというかやはりというか、早起きできるかどうかでその日一日の成果が決まるので、どうすれば早起きができるかを考えてみます。

…と、考えるまでもなく早起きするには早く寝ることです。

では、どうすれば早く寝ることができるか?

それは、寝るのが遅くなる原因をつぶしていけばいいでしょう。

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寝るのが遅くなる原因

そもそも寝るのが遅くなるのは、

  • 今日のうちにやらなければならないこと
  • 今日のうちにやっておきたいこと
  • 今日のうちにやらずに寝るわけにはいかないこと

などをさしおいて、

  • 今日やらなくてもいいのについついやってしまうこと

に時間を使ってしまうのが原因です。

早く寝るための対策

であれば、

  • 今日のうちにやらなければならないこと
  • 今日のうちにやっておきたいこと
  • 今日のうちにやらずに寝るわけにはいかないこと

などをすべてやり終えるのに必要な時間を算出し、就寝したい時刻からその時間分だけ差し引いた時刻にこれらを始めれば良いことになります。

特に、その日のふり返りや夜のストレッチなど、毎日の習慣になっていることであれば、かかる時間は毎日ほぼ一定になるはずです。

僕自身は、「デイリーメンテ」という、その日のふり返りやこまごまとした整理作業のルーチンセットを持っているので、この開始時刻を守っている限りは──何か緊急事態が起きない限りは──寝るのが遅くなることはありません。

具体的には、たすくまの「デイリーメンテ」の開始予定を「20:30」として、この通知が来たら、すみやかに「デイリーメンテ」に移行するようにしています。

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この通知を無視していると、

  • 「デイリーメンテ」を諦めるか
  • 睡眠を削るか

という二択に確実に追い込まれることになります。

この二択いずれも気が進まないので、反省して日中の過ごし方を改める方向に改善が進むことになります。

20:30にデイリーメンテが始められるように、その前のタスク、その前の前のタスク、という具合に順繰りに調整をかけていくわけです。

結果として、まだ明るいうちに「なんで今これをやっているんだろう?」と自分でも不思議に思うようなタイミングでタスク群に取り組むことになります。

でも、それが正解なのです。

その時間にやっておかないと、巡り巡って「デイリーメンテ」の20:30開始が果たせなくなるからです。

「デイリーメンテ」は「プレクロ」

なお、この「デイリーメンテ」のようなルーチンは、「プレクロ」にあたると考えています。

↓プレクロについてはこちらで詳しく書いております。

» 「その時」に備えて“プレクロ”を進めておく 

その店は、23時が閉店だったのですが20時になると“プレクロ”と呼ばれる、閉店に向けての準備作業が通常の調理業務と並行して走り始めます。言わば、閉店に向けた“仕込み作業”です。

“プレクロ”の正式名称は聞きそびれてしまいましたが、おそらく「プレ・クローズ業務」、すなわち「クローズに先立つ準備作業」といった意味だと思います。

端的に言えば、進行中の仕事の手を緩めて、次の仕事の準備作業にリソースを一部割り当てることです。

閉店時間が近づいてくれば客足も減ってきますから、調理スタッフのリソースは空き気味になります。そのアイドルタイムを利用して、閉店にまつわるたくさんの作業を少しずつ進めていくわけです。例えば、2面ある鉄板のうち1面は火を落としたり、その日の調理を終えたフライヤー(揚げ物をするところ)の網や換気扇を取り外したり、洗い物を集中して片づけたりします。

こうして23時に店が完全に閉まると、すでに店内の片づけはあらかた進んでいるため、そこから残りの作業を仕上げて、終電までに完全撤収できます。

もし、“プレクロ”をしていなければ、店が閉まるまで片づけ作業を一切しないわけですから、閉店後は膨大な作業を前にパニックになってしまうでしょう。スタッフは終電で帰ることができなくなりますし、それだけの仕事量を短時間でこなすためにスタッフを増員する必要が出てきて、経営サイドとしても深夜割増の人件費負担増は無視できないものになるはずです。

“プレクロ”という閉店業務負荷の平準化により、コストを抑えることができるわけです。


 

参考文献:

繰り返し読んでいる『マニャーナの法則』ですが、今回改めてジョーとミックの事例に目が留まりました。

この本に登場するジョーとミックはともに自動車の整備士ですが、仕事のやり方がまったく違います。

ジョーの仕事ぶりは、下手なタイム・マネジメントの典型です。ここにその特徴をあげてみますが、あなたにも当てはまるかどうか考えてください。

  • 1.仕事にリミツトの設定がない。
  • 2.注意のいくことすべてに反応する。
  • 3.同時にいくつもの仕事をする。
  • 4.1日にできる仕事量を把握していない。
  • 5.毎日、1日分の仕事が終わっていない。

お客さんの満足という観点で見ると、ジョーの仕事は効率が悪く、評判もミックの店より下。それどころかお客さんを怒らせているので、せっかくの修理の腕が生きていません。

一方、ミックの働きぶりはまったく違います。

  • 1.仕事にリミットが設定されている。
  • 2.注意を散漫にしない。
  • 3.一事に集中している。
  • 4.1日にできる仕事量を把握している。
  • 5.毎日、1日分の仕事を終わらせている。

最初こそお客さんを待たせても、最後にはジョーの店より早く修理が終わるし、修理忘れもありません。

仕事の効率がよいので、結果としてたくさんのクルマの修理・点検が可能。お客さんも喜んでくれるので、技量以上の収入を得ることになります。

本文では2人の違いがもっと詳しく書かれていますが、やはり「リミットを設定する」ことが何よりも重要だと改めて思いました。20:30に「デイリーメンテ」を開始するということは、仕事のリミットがその時間に設定されることになります。

リミットを気にせず、流れに任せてどんどん仕事をすれば、その時は一時的に成果があがるかもしれませんが、トータルではぼちぼち、ということになりがちです。

フルマラソンで序盤だけ飛ばして後半はずっと歩き続けるようなものです。

最初から一定の無理のないペースで走り続けられたほうがタイムも良くなりますし、何よりも再現性がアップします。

仕事は多くの場合、長距離走に近いと思いますので、自分が無理なく走り続けられるペースを見つけることが安定と信頼につながります。

» マニャーナの法則 明日できることを今日やるな


関連エントリー:

» 仕事のスピードを無理矢理アップさせるコツ 

「キリがよくないからもうちょっと…」といった言い訳がいっさい通じません。刻々と減っていくバッテリーをチラチラ見ながら、残りの作業と相談しつつ、少しでも前に進めるために眠っていた潜在能力が発揮されます。そういうシーンでは普段は気付かなかった「ちょっとした無駄」に気づけたり、新しい方法をひらめいたりできることが多いように思います。火事場の馬鹿力というか。

このような外部のプレッシャーをうまく自分の仕事に絡めることで、結果的に自分の仕事を牽引してもらうことができそうです。


» あえて追われる身に扮する 

このパワーを仕事に応用するなら、タイムリミットに加えて、“ハコ”のサイズを決めてしまうことでしょう。例えば、「これから3時間はこの作業に没頭する」という宣言のもとで、その時間は脇目もふらずに決めた作業だけに取り組むことです。


» 「その時」に備えて“プレクロ”を進めておく 

「その時」になってから考え始めるということは、あらゆることを「その時」にしなければならないことを受け入れることになります。野球で言えば、盗塁するときにまったく「リード」をせずに走り出すようなもので、盗塁の成功率は格段に下がるでしょう。

「その時」になるまで手をつけていけないというルールはないはずですから(契約上、先行着手が認められていない仕事でもない限り)、「今」できることがあれば、先に手をつけてしまうことで「リード」を稼ぐことができるわけです。これが、仕事における“プレクロ”です。


» 毎日ちょっとずつ重要なことに取り組む効用 

本を読んだり、前日のレビューをしたり、重要なことに少しだけ取りかかったり、といった朝の“オードブル”をひととおりこなしてもまだ余裕があるのです。

そして、この朝の“オードブル”が文字通りその日の“メインディッシュ”となる仕事への良い橋渡しになります。

こうしたメリットが感じられるようになると、冒頭の引用にも書かれているとおり、早起きは目的ではなく手段に変わります。


 

▼編集後記:
大橋悦夫



仙台と金沢でTaskChuteワークショップやります。

TaskChuteの活用法はもちろん、たすくまとの使い分けについても解説します。タスク管理の体系の中にEvernoteやToodledoをどのように組み込むか。中長期的なプロジェクトの管理をどのように進めるか(Asanaの使い方をご紹介します)、についてもカバーしますので、ご興味ある方はぜひご参加ください。

» TaskChuteワークショップ@仙台 10月25日(土)

» TaskChuteワークショップ@金沢 11月16日(日)

#金沢は、ちょうど香箱ガニの季節・・・。


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