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幻の名刀「正宗」150年ぶりに確認、京都で15日から一般公開
長らく所在不明とされてきた幻の名刀「名物島津正宗」が約150年ぶりに確認され14日、京都市東山区の京都国立博物館の平成知新館で報道陣向けに公開された。15日から11月16日まで一般公開される。大阪市在住の実業家の男性が昭和44年に近衛家から譲り受け、昨年度、高齢を理由に同館へ寄贈した。専門家は「国宝級の価値がある」と評価している。
8代将軍徳川吉宗が本阿弥家に編集を命じ、名刀の格付けを示す「享保名物帳」(享保年間発行)には、島津正宗の名があり、長さが「二尺二寸七分」と記載されている。
また、江戸幕府と朝廷の関係修復を進めた政治運動「公武合体」のため、文久2(1862)年に皇女和宮が14代将軍家茂に嫁いだときの献上品とも言われているという。
正宗は、鎌倉末期の刀工、岡崎正宗が鍛造した刀の総称で、現存品の多くは国宝や重要文化財に指定されている。京都国立博物館の末兼俊彦研究員は「切先に向けて一(いっ)気(き)呵(か)成(せい)に書いたような躍動感のある刃文は正宗特有。見た瞬間にその美しさが伝わってくる」と話している。