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10月14日

「まーご」ありがとう。

10月11日の放送のあと、ひとりでまーごのところへ行ってきました。バラの花と一緒に籠に入ったまーごはすやすやと眠っているようでした。放送中を含め、テレビ局にいる間は涙を流さずにいましたが、ひとりではそうはいきません。思い切り泣いてきました。大きな渦の模様はまるで息をしているかのようで、なでたときの感触はいつもと変わりませんでした。ただ、いつもより身体が固く、ひんやりと冷たかったのが、とても悲しかった。「ニュース新書」の出演を打診されたとき、猫を一緒に出演させたい、とお願いしました。「報道番組に猫を?」と不思議がられましたが、ノーなら断ろうと思っていました。
 猫好きということもありますが(犬もおなじぐらい好き)、人にあまり媚びないあの雰囲気が、声高に言い合うことが当たり前のようになっている政治番組に面白い化学反応を起こすのではないかと考えたのです。政治を叱るあまり「これでは国民は納得しない!」とキャスターが絶叫することに嘘くささを感じていたからです。
 まーごは見事に存在感を示してくれました。ああ、猫の番組だね、なら出てもいいよ、というゲストがどれほど多かったことか。石破茂、森喜朗、小沢一郎、増田寛也氏らはテレビに出るというより、まーごに会いにくるという感じでした。いつの間にか「まーごに会ったことのない政治家はたいした政治家ではない」という噂が広まったり、「政治猫」というニックネームまでいただきました。
 放送で死を公表する何時間も前からインターネット上ではうわさになり、たちまちツイッターの話題の1位になってしまいました。コメントのほとんどすべてが死を悼むもので、いかにまーごが愛されていたかを亡くなってから知りました。まーごの死の2日前、私は70歳古希を迎えました。その数日前、まーごにそれとなく話しかけ「おい、やめるときはいっしょだぞ、それまでおたがい元気でいような」と話しかけたばかりでした。番組を始めた7年前、まーごはまだ子猫でした。いまでは人間で言うとメタボ中年の50歳台ぐらいでしょうか。そのうち追いつかれ抜かれるので同じ年頃にともに引退かな、と漠然と思っていたのです。
 戦友というか同志というか、かけがえのないパートナーを失いました。番組の私の相手の女子アナは森本智子さん、大江麻理子さん、そしていまの繁田美貴さんと3人代わりましたが、まーごと私だけはそのままできました。土曜日の朝、リハーサルの合間にまーごと話すのが楽しみでした。ほとんど無視されましたが。まーご、ながい間、ありがとう。君のことは番組に携わったすべての人たちが決して忘れないよ。本番中にキャスターの私が涙をこらえているのに、ディレクターやカメラマンが泣いているんだよ。おまえはほんとうに幸せものだよ。天国へ行ったら、君も会ったことのあるぼくの犬、夢次郎にもよろしく伝えてくれ。さよならまーご。

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