(2014年10月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
中国のスマートフォンメーカー、シャオミ(小米科技)がインドでの事業展開を加速させるためにグーグルの元幹部を雇い入れた。同社は世界で3番目に大きなスマホ市場に進出し、本国での成功を再現しようとしている。
成長著しいシャオミは、ジャイ・マニ氏をインド担当のリードプロダクトマネジャーとして招き入れた。自らもグーグルの幹部だったヒューゴ・バーラ国際業務担当バイスプレジデントが13日に発表した。
この人事からはシャオミの積極的な成長戦略がうかがえる。調査会社カナリスによれば、同社はスマホの販売台数を前年比で240%伸ばしており、今では中国の大手スマホメーカーの一角に食い込んでいる。
世界最大のスマホ市場である中国で、シャオミの端末はほとんどカルト的な人気を博している。昨年には販売台数でアップルを抜き、今ではサムスンとトップの座を争っている。
「お手ごろ価格のアップル」、インド市場に大きな期待
端末の外見や操作感は「iPhone(アイフォーン)」風だが、アナリストらに言わせれば真のセールスポイントは価格にある。シャオミの端末の価格は「iPhone」の3分の1~5分の1だという。テクノロジーコンサルティング会社ガートナーのアナリスト、CK・ルー氏は「お手ごろ価格のアップルという位置づけがなされている」と語る。
シャオミは今年、端末を外国でも販売する計画を発表した。ブラジル、インドネシア、メキシコ、マレーシアなど計10カ国に進出するとしている。外国での販売の詳細はまだ明らかにしていない。
同社は株式を公開していないが、2013年の直近の資金調達時には100億ドルの価値があるとの評価を受けた。今年7月には、急成長を遂げているインドのスマホ市場に進出している。共同創業者の林斌(リン・ビン)氏はその際、アジアで3番目に大きな経済規模を誇るインドが同社にとって「恐らく最も重要な」市場になるとの見通しを示していた。
調査会社のIDCによれば、インドのスマホ市場は今年第2四半期に前年比84%という急拡大を遂げた。メーカーが出荷した端末は1842万台に上ったという。