NHK:ネット課金見送りへ 受信料制度を変更せず

毎日新聞 2014年10月15日 07時40分(最終更新 10月15日 08時21分)

NHK放送センター=東京都渋谷区で、尾籠章裕撮影
NHK放送センター=東京都渋谷区で、尾籠章裕撮影

 NHKは2015年度から3カ年の経営計画案で、受信料制度の変更を見送ったことが14日分かった。籾井勝人会長は、放送法を改正し、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンでも放送と同時に番組を見られるようにする「同時再送信」を実現し、ネット視聴者からの受信料徴収に意欲を示していたが、次期経営計画の期間内での制度変更は難しいと判断した。

 籾井会長は今年7月、毎日新聞のインタビューなどで、3年以内の実現に強い意欲を示していた。しかし、関係者によると、法改正に向けた総務省や国会議員との十分な協議はなく、改正時期のめども立たないことから、現実路線に転換したとみられる。

 計画の議決機関である経営委員会は方針を了承する見通しだが「放送と通信の融合」に積極的な経営委員の中には「(会長は)任期をまっとうしようと、安全運転を始めた」と批判的な意見もある。

 浜田健一郎・NHK経営委員長はこの日の委員会後、記者団に「年内に計画案を議決したい」と話した。来年度施行の改正放送法では、1日のうち一定時間であれば同時再送信の実施は可能。計画案にも試行が盛り込まれる見通し。【望月麻紀、須藤唯哉】

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