[PR]

 ●近畿大学「キンスポ」

 ローラーホッケーをご存じですか。アイスホッケーに似た競技で、ローラースケート靴を履き、野球のボールほどの大きさの硬質ゴムボール(パック)をスティックで運んで、相手ゴールへ打ち込む。1チームは重装備のゴールキーパーを含めて5人。縦40メートル、横20メートルのコートで繰り広げられるスピーディーな攻守の展開が見どころだ。

 大学チームのあるところは珍しく、関西では近畿大(大阪府東大阪市)だけだとか。10月にある全日本学生選手権大会(インカレ)に向けて練習中のローラースケート部にお邪魔した。

 訪ねたのは兵庫県伊丹市のローラースケート場。練習場所が限られ、キャンパスからは遠いが、部員たちは週に3度、授業前などに練習に集う。週末はOBらも加わって実戦形式の練習で汗をかく。男子部員は11人、女子部員3人。学年を問わず仲が良く、アットホームな雰囲気だ。

 久保田有香さん(2年)は「キスマイになれるよ」と誘われて入部した。ローラースケート靴をはいたパフォーマンスで人気の男性アイドルグループ「Kis―My―Ft2(キスマイフットツー)」のことだ。中学高校でソフトテニスをしていたが、「ほとんどの人が初心者なので、仲間と一緒に成長できる」と飛び込んだ。辻川賀子さん(1年)は今、技を一つ一つ覚えていくのが楽しくて仕方ない。「階段を一段一段昇っていく喜び。女子部員を増やして女子チームでインカレに出たい」と話した。

 久保井淳之さん(3年)は「疾走感がたまらない」と目を輝かせた。ならばと私も体験してみたが、バランスがとりにくく、滑るというより歩くので精いっぱい。何度も転んで醜態をさらしてしまったが、「初めてにしては上手な方ですよ」と慰められた。ほとんどの人が2週間から1カ月で滑れるようになるという。私も練習を続ければ、いつか疾走感を味わえる日が来るのだろうか。

 インカレ出場は6大学。ライバルは立教大、国学院大、専修大、日本大、東洋大と関東勢ばかりだ。長野市で始まったインカレで、11日にある近畿大の初戦の相手は日本大。勝ち上がれば昨年の覇者・立教大とぶつかることになる。主将の山下雄土さん(4年)は「今年は創部30年の節目。インカレでいい成績を残したい」と力を込めた。打倒関東勢に燃える近畿大チームの活躍に期待したい。

 (近畿大2年 中根隆稀)

  ◇   ◇

 ツイッターとフェイスブックでも発信中。https://twitter.com/asahi_wktk https://www.facebook.com/asahi.wktk

 企画・構成/朝日新聞大阪本社地域報道部