【BOX】山中、パッキャオ級!ナイキと契約でV7足場固め
◆報知新聞社後援 ワールドプレミアムボクシング ▽WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・山中慎介―同級1位・スリヤン・ソールンビサイ(22日、東京・代々木第二体育館)
WBC世界バンタム級王者の山中慎介が大手スポーツ用品メーカー・ナイキ社とアドバイザリー契約を結んだことが14日、明らかになった。同級1位スリヤン・ソールンビサイとの7度目の防衛戦から着用する同社のリングシューズを使い始めて以降、けがもなく調整は順調。都内の帝拳ジムで公開したスパーリングでも、鋭いフットワークから“神の左”の異名を持つ得意の左ストレートを連発して見せた。
左拳で新たなステータスをつかんだ。山中が間近に迫るスリヤンとの7度目の防衛戦に合わせ、世界の実力派アスリートが支援を受けるナイキ社と契約した。ボクシング界では世界6階級制覇のマニー・パッキャオ(フィリピン)も同社とタッグを組む。「昔からナイキにあこがれていた。試合に向けて、いいモチベーションになる」と表情を緩めた。
V7へ足場から固めた。強烈な左ストレートを生む原動力は足にある。パンチを出す瞬間、左足でキャンバスを強く蹴って勢いを付ける。山中は毎試合、本番1か月半前から本格的なスパーリングに入るが、1週間も過ぎる頃には左足母指球(親指の付け根)にマメができて皮もめくれてしまっていた。
試合や練習時のウエア類の提供をする同社からV7戦に向け、夏場から3種類の新シューズをテストしてきた。メッシュ素材の最軽量シューズは、V6戦まで使っていた他社製よりゴム底が厚めという。「足全体のフィット感もいい」と初めて左足のアクシデントが起きなかった。大和心トレーナー(39)は「毎回、母指球のけがに悩まされてきた。調整も計画通りに進められた」と話した。
試合用の白色のシューズを履いて、報道陣の前で3ラウンドのスパーを消化。元世界ランカーのフィリピン人に鋭い踏み込みから何度も得意の左を浴びせた。
チャンピオンカラーの赤色の特製Tシャツの胸には「GOD’S LEFT KNOWS」の文字が刻まれた。「神の左はボクシングを知り尽くしている」の意味だという。「僕の代名詞ですから」と胸を張る。「当然、自分自身を知り尽くしてますよ」と新たな武器を得た王者が大暴れを誓った。(飯塚 康博)
◆ナイキ社とプロボクサー 世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)を筆頭に、世界2階級王者で前WBO世界ウエルター級王者のティモシー・ブラッドリー(米国)をサポートしている。日本では世界王座獲得前の亀田興毅が用品提供を受け、昨夏からWBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(ワタナベ)がバックアップを受けている。