本田「悔しさ倍増」ネイマール1人に4発完敗「上には上がいる」
◆国際親善試合 日本0―4ブラジル(14日、シンガポール・ナショナルスタジアム)
アギーレ・ジャパンが初の海外試合でブラジルに完敗した。10日のジャマイカ戦から先発を6人変更したが、国際Aマッチでは78年ぶりに1人に4ゴールを奪われて0―4と惨敗。後半開始から出場も見せ場を作れなかったFW本田圭佑(28)=ACミラン=は大敗に「上には上がいる。悔しさ倍増」と雪辱を誓った。日本代表はシンガポールでの試合後に解散。欧州組は14日深夜発の航空機で出発し、国内組は15日に帰国する。
本田は試合後、ACミランで同僚だったFWカカとユニホーム交換し、スタンドにあいさつへ向かった。いつもはピンと伸びている背中が丸まっていた。
「改めて現実を突き付けられた。なんべんもやっているんでね。それで毎回負けている。悔しさ倍増です」
自身3度目のブラジル戦。過去2度と同様の大敗が待っていた。
出番が回ってきたのは後半開始。アギーレ監督がアジア杯(来年1月・オーストラリア)へ向けた選手選考を優先させ、直近3試合に主将でフル出場した本田はベンチスタートだった。それでも、1点を追う展開に「後半からでも結果を残したい」と左FWに入り、ゴールを狙った。後半23分にはクロスに飛び込んだが、一歩届かない。流れは日本に傾くことはなかった。
相手に目を向ければ、FWネイマールが4ゴールを重ねていた。期待に応え続ける王国のエース。同じ国を背負う大黒柱として、その差を見せつけられる結果になった。
「すごいとは思いますよね。アルゼンチン戦(11日・北京)ではあれだけチャンスを外していたのに、こういう試合では4、5点取る。得点王を取る選手はこれができる。リーガ(スペインリーグ)では、メッシ(バルセロナ)やクリスチアーノ(ロナウド=Rマドリード)の方がすごいけど、正直ネイマールからも学んでいる」
ただ、差を見せつけられれば見せつけられるほど、反骨心を燃やすのが本田だ。「上には上がいる。そういう意味でも感謝したい」と言うと、落ち着いた表情で決意を口にした。
「今日も悔しい思いをした。でも(ブラジルを)超えたい。また不可能なことはない、と皆さんに見せたい。こいつ、なんか言っていたな、と思っている人の期待を良い意味で裏切りたい」
ブラジルW杯で1次リーグ敗退し、今では口にしなくなった「世界一」への思い。18年ロシアW杯でかなえるため、本田はこの差を少しずつ埋めていく。(内田 知宏)
◆本田の過去のブラジル戦後のコメント
▽親善試合(12年10月16日・0●4)「負けてそりゃ悔しいけど、何かうれしくてね。サッカーをやっていて楽しい気持ちになった。そんなに簡単にいったら、楽しくないやん。未来への気持ちというか、明日の練習から楽しみになった」
▽コンフェデレーションズ杯(13年6月15日・0●3)「残念です。非常に残念です。今日の試合は完敗ですから。向こうの(高い)クオリティーで失点してしまったんで、思った通りに試合が運べなかったという意味で残念。悔しいですけどその辺は仕方ない」
SAMURAI BLUE