ライフハッカー編集部 - 科学,食生活 08:00 PM
「一緒に食べる人」の体格が食べる量を左右する:研究結果
私たちは、多くの影響を受けながら食べものを口にしています。例えば、広告や習慣、さらにはガラスケースの中でゆっくり回転するチーズケーキなどが、食べる量に影響します。最近の研究結果によれば、食事を一緒にとる相手や、その相手が自分より太っているかどうかという点も、実際に食べる量に影響を及ぼす可能性があるのだとか。
4回のランチで1人が意図的に別の行動をする
米コーネル大学が実施し、学術誌「Appetite」に掲載されたこの研究では、無作為に選ばれた被験者の大学生82人を4回にふり分け、サラダとスパゲッティのランチを食べてもらいました。4回のランチすべてに、ほっそりとしてバランスのとれた体型の女優が同席しましたが、この女優には1回ごとに違う行動をとってもらいました。
1回のランチでは、サラダを多く、パスタを少なくとるヘルシーな食事をしましたが、別の1回では、パスタを重点的にとる、あまりヘルシーではない食べ方をしました。残りの2回では、同じ女優が人工装具を身につけ、実際よりも体重50ポンド(約22.7キログラム)ほど太って見える姿で同席しました。人工装具を身につけたランチでも、1回はヘルシーな食べ方、もう1回はあまりヘルシーではない食べ方をしました。
得られた結果は、研究を行なったMitsuru Shimizu氏、Katie Johnson氏、Brian Wansink氏を驚かせるものでした。この実験により、次のようなことがわかったのです。
- 太った人と一緒に食事をすると、被験者の「ヘルシーではない料理」の摂取量が増えました。人工装具を身につけて太った姿の女優が同席したケースでは、女優本人が何をどれだけ食べたかに関係なく、被験者のパスタ摂取量が31.6%増えました。
- 太った人と一緒に食事をした場合、たとえその太った人がヘルシーな食事をとるのを目にしたとしても、被験者のヘルシーな料理の摂取量は減少しました。このケースでは、被験者のサラダ摂取量が43.5%減少しました。
この研究は、被験者がわずか82人というごく小規模なものですが、結果からは、私たちの食べ方に食事環境が疑いようのない影響を与えることが十分に見てとれます。
では、その影響を和らげるには、どうすれば良いのでしょうか? 研究チームのWansink氏は、食べる前にメニューをじっくり見て、自分の食事目標に合った料理を選ぶことを勧めています。また、バイキング形式のお店に行く場合は、どれくらいの量を取り分けるのか、あらかじめ決めておくと良いそうです。
In good company: The effect of an eating companion's appearance on food intake | The JournalAppetite via Cornell University
Patrick Allan(原文/訳:梅田智世/ガリレオ)
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