鶴竜が逸ノ城にダメ出し

　逸ノ城（２１）＝湊＝が横綱鶴竜（２９）＝井筒＝からダメ出しされた。１０日、横浜市内での秋巡業初日。新入幕の秋場所で優勝争いした逸ノ城は照ノ富士らと１２番の申し合いで３勝９敗。ぶつかり稽古では鶴竜の胸を借りたが、いつもは温厚な鶴竜から「やる気がない。一生懸命さがない」と痛烈に指摘された。

　約１０分間の長いぶつかり稽古で、逸ノ城は何度も転がされ、土俵で大の字になると白鵬から顔に水を浴びせられた。疲れが残っているのか、腰にテーピングを巻き、快進撃した秋場所のような姿はなかった。

　逸ノ城は「横綱に指名してもらえてうれしいです。思い切ってやろうと思った。本気出してますよ」と話したが、秋場所１３日目に逸ノ城に立ち合いで変化され、金星を配給している鶴竜は納得していない。そのときの怒りと悔しさは「半々。忘れてはいけない」と肝に銘じている。「（逸ノ城は）何とか時間つぶしして終わらせようとしている。力を入れて押すとビシッとくるけど、全然力を入れていない」とバッサリ。

　これから続く長い巡業で、逸ノ城は「しっかり稽古をする」と気合を入れたが、逸ノ城へのメッセージが届いたかと聞かれた鶴竜は「まだじゃないですか」。鶴竜の厳しい稽古は続きそうだ。　（岸本隆）