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【スポーツ】

<首都スポ>慶大WTB関東申峻 被災地の思い背負う

2014年10月11日 紙面から

日本代表WTB福岡との対決に意欲を燃やす関東。50m6秒0のスピードに加え、俳優の大沢たかお似といわれる端正なマスクもエース級?=8日午後2時7分、横浜市港北区の慶大グラウンドで(大友信彦撮影)

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 ジャパンのエースと真っ向勝負だ! 関東大学ラグビー対抗戦グループで開幕から2連勝の慶大は11日、熊谷で筑波大との大一番に挑む。筑波大のエースは日本代表の切り札でもあるWTB福岡堅樹。そのトイメンに指名されたのが、昨季からレギュラーを獲得したWTB関東申峻(のぶたか)=宮古・4年=だ。東日本大震災で大きな被害を受けた故郷・岩手への思いも背負い、今季は2試合で6トライ。タイガー軍団の新エースが筑波大撃破に挑む。(大友信彦)

 開幕の明学大戦では4トライ。続く青学大戦でも2トライ。2試合を終えて6トライ。開幕2連勝の慶大で、豪脚を見せつけているのが関東だ。

 「去年は外でパスが来るのを待っていることが多かったけれど、今年は自分から積極的にボールをもらいにいくよう意識してます」

 青学大戦の1本目はまさにその形。左WTBの位置から逆側の密集サイドに走り込み、強引にパスを奪い取ると、相手ディフェンスの隙間を切り裂いてインゴールに躍った。

 「今年の春から、NTTコムを引退した栗原徹さん(元日本代表)がコーチに来て『パスはもらうものじゃなく、自分から取りにいくもの』とアドバイスされたんです」

 さらに、昨季からスプリントコーチについた為末大、菅野優太の両コーチの指導で、50メートル走のタイムも6秒1から6秒0に向上。

 「0秒1の違いでも試合では捕まるか、抜けるかの差になる。以前なら捕まるのが怖くて、内側に入っていたような場面でも、強気で外側勝負で抜けるようになりました」

 11日に対戦する筑波大のWTBは日本代表の福岡。関東は高校時代の最高成績も県の4強で、全国大会には無縁だった。

 「同じポジションですけど、テレビを見て『スゴいなあ』と憧れてました(苦笑)。だけど今は、負ける気はサラサラない。自分が持ってる力を出せればいける。相手は日本代表だから、それ以上はいない存在。そこに勝てば僕だって日本代表になれるかも」

 活躍しなければいけない理由がある。郷里は東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県宮古市。地震のときは、慶大入学を前にオーストラリアへ個人留学中だった。携帯に母親からメールが届いたが、電話はつながらない。家族の無事を確認できたのは地震から1週間後だった。帰国後、再開した直通バスで帰省。子どものころから数え切れないほど通った景勝地の浄土ケ浜もがれきに埋まるなど、故郷の姿は変わり果てていた。家族を失った友人もいた。

 「自分に何ができるか考えたら、慶応で活躍する姿を見せること。なのに1、2年のときは試合に出られず悩みました。でも地元に帰るたびに『応援してるよ』と言われて逆に勇気づけられた。被災地で苦しんでいる人たちのことを考えたら、そのくらいで悩んじゃいられない。震災から3年半たっても復興は進んでいないのに報道は減っている。だから僕が活躍して、地元の話題をメディアに出したいんです」

 日本代表のエースを相手に大暴れすれば、話題性は文句なし。11日の熊谷ラグビー場、WTB対決に注目だ!

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

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