地下水のセシウム濃度 台風で上昇か10月15日 4時13分
東京電力福島第一原子力発電所で、護岸沿いの地下水から、これまでで最も高い1リットル当たり25万ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたことが分かりました。
東京電力は、事故直後に地中に漏れ出した放射性物質が台風18号による大雨で地下水に流れ出したものとみて、監視を強めることにしています。
東京電力によりますと、福島第一原発2号機の海側の護岸沿いにある観測用の井戸で、13日に採取した地下水から1リットル当たり25万1000ベクレルの放射性セシウムが検出されました。
内訳は、セシウム137が19万ベクレル、セシウム134が6万1000ベクレルで、護岸沿いで観測された濃度としてはこれまでで最も高く、その4日前に同じ井戸から採取した地下水と比べて3倍以上に跳ね上がっています。
この井戸の周辺では、福島第一原発事故の発生直後に、「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに流れ込んだ高濃度の汚染水が地中に漏れ出していて、東京電力は、今月6日に通過した台風18号による大雨の影響で地中の放射性セシウムが流れ出したものとみています。福島第一原発では、今月8日と9日にも、汚染水をためるタンク周辺の地下水や、今回と同じ護岸沿いの地下水から、いずれも高い濃度の放射性物質が検出されています。
東京電力は、今後も大雨のたびに高い濃度の放射性物質が観測されるおそれがあるとして、トレンチに近い3か所の井戸で週2回行っていた地下水の検査を当面は毎日行い、監視を強化することにしていますが、地中のどれだけの範囲に汚染水が広がっているか分からないため、根本的な対策は難しいとしています。